2014/11/26

雑誌『WIRED』 vol.14にて、企画・編集・執筆を担当しました

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コントリビューティングエディターとして企画や編集をしている雑誌『WIRED』。11月25日発売のvol.14 では、STARTというコーナーで、イスラエルでなぜイノベーションが起きるのかを、さまざまな視点から切り取った8Pの特集を担当しました。

他にも、WIRED Conference 2014に関連した記事、10月下旬にオーストリアで開催されたRed Bull Air Raceの取材で、オーストラリアのザルツブルグに行き、生でAir Raceを観戦してきました。

Red Bull Air Raceは、2015年5月に日本・千葉で初開催されるので、日本人パイロットの室屋さんの活躍にも期待したいところです。





2014/11/19

GLOCOMが出版している『智場#119特集号オープンデータ』特集記事の構成執筆を担当しました

特集のインタビュー原稿の執筆を担当した、GLOCOMの「智場」が出版されました。特集では国立社会保障・人口問題研究所の森田朗さんと庄司さんとインタビュー。オープンデータ、オープンガバメントの話から、情報技術と社会の関係について、多岐にわかる内容になりました。


国際大学GLOCOMが定期的に発行している機関誌の『智場』。毎号テーマを変えながら、研究者らによる国際情勢や経済効果といった社会動向についてまとめている書籍です。その特集記事として、国立社会保障・人口問題研究所所長の森田朗氏へのインタビュー原稿(インタビューワは国際大学GLOCOM主任研究員の庄司昌彦氏)の構成執筆を担当しました。今回、テーマがオープンデータということで普段の活動に通じる内容をきちんとインタビューを通じてまとめることができる良い機会だったと考えています。内容も、医療や社会保障制度、さらには人口減少問題に対してどう取り組むか、また日本のオープンデータとオープンガバメントにおける現状とこれからについてなど、多岐にわたる話題についてお話いただきました。インタビュー、ありがとうございました。

お話では、森田氏とは以前に私も企画をお手伝いし、森田氏も有識者メンバーとして参加されていた「国・行政のあり方に関する懇談会」の取り組みなども事例として紹介をいただきました。会議の内容を外に発信するだけでなく、会議のメンバー同士が有機的にコミュニケーションを行うためのデジタルツールの活用は、会議の回を増すごとにブラッシュアップされていっていました。この取り組みは、東海大学の富田誠氏らと一緒にやっていた(富田氏による会議の際に取り組んだグラフィックレコードの事例に関するインタビューはこちら)のですが、どこかのタイミングでこの取り組みも書籍なりできちんとまとめないといけないな、と考えています。

2010年代のこれからの考える上で、日本のオープンガバメントの今とこれからをまとめたい

普段からOpen Knowkedge JapanCode for Japanの企画ディレクションや広報PRまわり、コピーライティングやらワークショップなどに携わっており、オープンデータやオープンガバメントを推進するための活動している身として、こうして研究者や実践者、デザイナーや経営者らと一緒に市民社会のあり方を考える取り組みをしっかりと外に発信する機会は意外と少ないのが現状です。

日本政府が電子行政オープンデータ実務者会議などを踏まえてCIOを設置したり、昨年には『日本最先端IT国家創造宣言』を行い、積極的にオープンデータやオープンガバメントを推進しようとする動きは見せてきています。企業や民間団体も、OKJやCode for Japanが動き出すなど、さまざまな活動が全国で活発化してきています。

アメリカでは、オバマ政権が誕生した2009年以降、積極的なデジタル施策やオープンガバメント施策を行ってきました。日本もそれを見ながら独自な動きを見せ始めようとしており、じょじょに成果も出始めています。しかし、そうした取り組みをまとめる機会が少ないすごくもったいないと感じています。

ネット選挙解禁の活動を行っていた2012年2013年、そしてネット選挙が解禁されたあとの7月の参議院選挙や2014年の2月には都知事選を経て、もはや当たり前にようにネットを使った選挙活動となってきました。その次は、選挙活動のみならず、普段の活動やネットもオフラインも含めて、よりオープンな政治、オープンな行政活動、その先にある創発的な市民社会を作るための動きを起こすことが必要だと感じます。OKJの活動や全国の草の根で活動しているさまざまな団体へのインタビュー、Code for Japanの取り組みや浪江町での先進的な取り組みは、今後の日本社会のおいても大きな意味をもつものだと思っています。

日本におけるオープンデータの推進とオープンガバメントの未来についてどう向き合い、どう行動していくか。それに対して市民側ができること、企業や民間団体ができること、そして政治や行政の側としてすべきことを、しっかりとまとめ、2010年台の後半への展望や提案をできるような書籍かなにかを、執筆できたらと最近ふつふつと考えている今日このごろです。






お金ってなんだろう、を気づかせてくれるクラウドファンディングというサービス

the audience is shaking (CC)



スタートアップやテックなど起業に関する情報を発信しているTHE BRIDE。編集として携わっており、企画としてクラウドファンディングに関する情報をまとめていました。そのひとつに、クラウドファンディング法案(ネット経由で小口投資を募ることができるようにする金融法改正)について取材などをしていました。

それにあわせて、クラウドファンディングに関して体系的にまとめたり、クラウドファンディング法案成立後にどういった動きが起きるのかなどについて、クラウドバンクの大前さんに取材を行いながら、大前さんとやりとりをしながら寄稿していただき、編集していく、ということを行ってきました。

クラウドファンディングの歴史と日本のポテンシャルについて【ゲスト寄稿】 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
「2014年はクラウドファンディング元年」:多様化するクラウドファンディングと市場の動き【ゲスト寄稿】 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
株式型クラウドファンディングを通じて、企業とユーザの関係が再構築される【ゲスト寄稿】 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)
クラウドファンディングが仕掛ける「金融の民主化」:個人を力づける新しい資金調達と資金活用のカタチ【ゲスト寄稿】 - THE BRIDGE(ザ・ブリッジ)

全4回、すべて足すと3万字くらいの内容をもとに、クラウドファンディングについての基本的な内容や融資型の海外事例、株式型クラウドファンディングや法案成立後の未来についてまとめていただきました。こうした一連の企画がきっかけで、大前さんが先日書籍『クラウドファンディングではじめる1万円投資』を出版したというご連絡をいただき、書籍をご恵投いただくこととなりました。

あとがきでは、嬉しいことに書籍のきっかけについてご紹介いただきました。

「本書では、私がこれまで行った講演や寄稿などが土台となっています。特にブログメディア『The Bridge』の平野武士さんと江口晋太郎さんには、今回クラウドファンディングについて包括的にまとめる機会をいただいたことが本書執筆の土台となっていることを考えると、生みの親みたいなものです。」(P188)

THE BRIDGEとしてご提案させていただいたことで、こうして書籍化につながったということで、企画提案をさせていただいた身としても大変嬉しく思っています。もちろん、今後もクラウドファンディングに関する情報や、法案についてなども追いかけていければと思います。

同時に、私もクラウドファンディングについて包括的にまとめることで仕組みとしてのクラウドファンディングと、大前さんとも話をしてまさにでてきた「金融の民主化」というところに改めて気付きを得ることができました。普段、何気なく使っているお金も、その値段が付いている商品の後ろには、流通や製造にさまざまな人が関わり、そして製品ができているということに、なかなか知る機会がありません。しかし、お金というのも交換のひとつの手段。それをどう活用するか、もっとお金について能動的に考えるべきだと実感します。

自分が共感した商品や応援したいと思うプロジェクトの製品を買ったり、自分が支払ったお金が何にどう使われているのか、というお金のトレーサビリティといった考えも近年ではでてきています。マイクロファンディングのKivaなどもまさにそういった活動といえます。クラウドファンディングも、まさにそうした個人のお金が何にどう使われているのかを知るひとつの機会として捉えることもできます。もちろん、プロジェクトを掲載する人にとってみれば、資金を調達する手段としてクラウドファンディングを捉えることができますが、お金を支払う側の意識も同時にあることにも気付かされます。

資金を調達し、プロジェクトを推進しようと思うプロジェクトオーナーも、ただクラウドファンディングのサイトに掲載すればお金が集まるわけではなく、そのプロジェクトにかける思いをきちんと整理し、それを映像や言語に落としこむことが必要です。さらに、随時情報を更新してプロジェクトに関しての情報を発信して透明性を高めることも必要です。そうした小さな取り組みや丁寧なコミュニケーションを通じて、自身のファンやサポーターを増やすことができるのです。それって、かなりの手間がかかるし、正直いえばコミュニケーションコストはかなりのものです。さらに、リターンも魅力的でなければなりません。もちろん、マーケティング的視点で、製品づくりのプロジェクトを掲載するということもあるし、ほかにもプロジェクトに関しての何かしたらの記念や限定イベントなどなど、ファンを増やすための施策も必要です。

そうした意味で、クラウドファンディングは単純にお金を集めるだけのことを考えると割にあわないかもしれません。しかし、そうした賛同が可視化され、みんなの応援が見えることで、より責任がましたり、プロジェクトをまわしながら自分自身を奮い立たせるような機能も兼ね備えてています。そのコミュニケーションのひとつのきっかけに、お金という交換ツールがあると考えると、お金の使い方もまた新しい視点が生まれてくるかもしれません。

お金は、ただそこにあるだけでは意味がありません。それをどう使うか、◯◯円という数字的なものではなく、その実数としての数字の裏にある、目に見えない価値をどう作り出すか、それは、お金には変えられないものでもあります。改めて、お金ってなんだろう、ということを問いなおすひとつのきっかけとして、クラウドファンディングを見つめるのもいいかもしれません。



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