2015/12/31

2015年の振り返りともろもろ報告など

今年一年は、個人的に山あり谷ありな一年だったかもしれません。2014年の年末にそれまで長く住んでいた目黒から東京は東にある清澄白河に引っ越し、生活スタイルも仕事のスタイルも少しづつ変化した一年でした。個人としては6月に『ICTことば辞典』を出版したり、色んな媒体での仕事や企画をご一緒する機会も多い中、それまでとは違ったフィールドに足を踏み入れながら、色々ともがいていた時期でもありました。日々刻々と変わる状況や周囲の環境に日々戸惑いながら、それまでとは違ったあり方を模索していくなかで失敗や経験をしたなかで、色んな気づきや自分のできていることとできていないことも理解することができました。

今年一年は周囲にきちんと報告できていないこともあったので、改めて以下にまとめてみました。

自分の会社をつくりました
2015年の5月1日に株式会社を設立しました。社名は株式会社トーキョーベータ(英:TOKYObeta Ltd.)。不動前で友人らとシェアハウスをしてたときにつけた名前で、「編集」という手法をもとに、都市や社会を"TOKYO”という一つのメタファーとしながら、都市や社会にあるさまざま空間や地域、コミュニティ、メディアを未来に向けてアップデートしていく(永遠のβ版)ための企画・編集・デザインをしていくクリエイティブ集団という意味で名づけました。これまでの歴史や文化、価値観や常識を受け入れつつ、次へとつながるための環境を構築するために柔軟な発想と想像力を働かせ、行動していくことが大切です。もちろん、コミュニティのあるべき姿は一つではありませんし、ゴールがあるものではありません。だからこそ、永遠のプロトタイプであることを意識し、成熟した環境構築を実践していければと考えています。

当たり前かもしれませんが、社会はさまざま要因が複雑に絡み合いながら動いています。そこには、テクノロジーもデザインも、アートも、建築も、まちづくりも、政治もすべてが関わっています。そうしたさまざま領域を横断しながら、次世代に向けた新たなプロトタイプづくりをしていくためのプロジェクトをつくっていければと思います。今年は個人事業と会社の両方をやりくりしながら次第に法人での活動にシフトしていく移行期でもありました。会社のサイトとかもきちんと作っていなくて、あまり表立っての活動はしてこなかったのですが、すでに広告代理店や自治体の方々と法人名義でお仕事をさせていただいています。また、法人としても新しい挑戦をしようと今年の春から冬まで色々と仕込んでいた時期でもありました。体制づくりや環境づくりのためにじっくりと時間をかけて形にしていく大きな過程とさまざま経験をさせてもらった一年だったと思います。

これまでさまざまな形でご一緒してきた方々と2016年からはもっとオモシロイことを仕掛けていけるような場をつくれるよう準備をしていますので、2016年も引き続きよろしくお願いいたします。また、ぜひなにかオモシロイ企画やプロジェクトがあればぜひお声がけください。これまで以上にいろんなことができるような状況をつくっていければと思います。

NPO法人インビジブルを設立し、理事として活動しています
2015年7月に、林曉甫と菊池宏子と一緒に、NPO法人インビジブルを設立しました。アートを軸とした企画運営やアートプロジェクトの支援や研究、プロトタイプづくりを行う団体です。もともと別府のアートプロジェクトを推進してきた林とは、彼の弟の林賢司と昔一緒にプロジェクトをしたことがきっかけで、同世代でアートを通じた地域の活動をしている人がいる、と紹介されたことから、一緒に遊んだり仕事をしたりする中でした。その林からNPOを作ろうとしてるから一緒にやらないか、と今年のはじめに相談され、その際に菊池を紹介されました。菊池はもともとボストンで20年以上アートを軸にコミュニティづくりなどに取り組んでいた人物で、僕との色んな共通点や社会を見る視点などで話が弾んだのが最初の出会いでした。そこから、いまの社会に必要な思想や価値観をどのように実践していくか、プロトタイプづくりをしていくかなどを話すなかで、三者それぞれの微妙に違う経験や考えをもとに、よいプロジェクトがつくれるのではと考えています。

すでに、NPOとしては鳥取藝住祭や関西広域連合でのAIRシンポジウムの企画、アーツカウンシル東京からサポートをしてもらいながら行っている、文化創造拠点の形成としての活動として、六本木のけやき坂にある宮島達男さんのパブリックアート「Counter Void」の再点灯を行うためのアートプロジェクト「リライトプロジェクト」を運営しています。今年の4月に行われた六本木アートナイトでも出店者として参加し、ワークショップを行ったり、再点灯に向けたプロジェクトを推進するための「リライト コミッティ」を運営し、集まったさまざまバックボーンや価値観をもっている人たちとともに、作品の再点灯だけでなく、作品自体が持っている「生と死」というテーマや東日本大震災をきっかけに消灯させた作品をどう扱っていくかなどを議論しながらアクションを進めています。

アートを軸としながら、僕自身が考える市民参加型社会のあり方や、人の意識のアップデートと社会構造の変革に向けた一つの大きなプロジェクトとして日々NPOでの活動を通じて刺激や発見をもらっています。これも、今年一年での一つの取り組みであると同時に、いままでとは違った立場や考えの人たちと出会う場として、自分としても一歩違うステージで活動するための挑戦だと考えています。

NPO法人日本独立作家同盟の理事として活動しています
もう一つ、今年の3月に設立したNPO法人日本独立作家同盟の理事としても活動しています。日本独立作家同盟は、インディーズの作家たちを支援する団体です。私自身のメディア業界で活動する一人として、メディア業界全体の変化を大きく感じる日々を過ごしています。出版業界のあり方や作家自身の作品の作り方や発表の仕方、作品というあり方そのものやそれを届けるデリバリーの仕方、紙の書籍や雑誌だけでなく電子書籍などパッケージのあり方、ライターや作家、メディアそのもののビジネスモデルの転換など、考えることは山積みです。そのなかで、実験や実践を自分たちで行っていくなかで、インディーズ作家を支援していく団体とつくろうと、代表の鷹野さんが活動されている取り組みを応援する形を通じて、自分自身としてもなんか実践していければと思い、団体の理事として活動をしています。

今年設立したばかりですが、いまの出版やメディア業界、もっといえば書店など本を扱うあらゆる人たちにとって新しい実践ができる場になればと個人的には考えています。やはり、作品やコンテンツを創造する人がいなければ僕たちは文化を楽しむことができないわけで。小説やマンガなどのありとあらゆる種類、そしてウェブや雑誌や書籍のあり方そのものに真剣に目を向けながら、新たな文化を作り出すために何ができるかを模索していく一つの方法として活動していければと思います。

Open Knowledge Foundation JapanやCode for Japanといったオープンデータやシビックテックに関するの活動も引き続きやっています関われているもの関われていないものなどありましたが2016年にはこれまでにお世話になった方々とも仕事やプロジェクトができる種が生まれた一年でもありましたマチノコトもおかげさまで色んな自治体や企業からの問いかけも多く今年は夏にゴミ拾いのキャンペーンも行いました2016年にはいままで以上にNPOとしてやメディアとしての新しい挑戦もしていく予定です

2016年は、まずはじめは、いままさに執筆のラストスパートをしている書籍が2月か3月あたりに出る予定です。昨今の地域づくりのなかでうまくビジネスとして成り立たせるための仕組みなどを事例としてまとめた本です。これまでに私自身も各地の地域をみてきたなかで感じたものや、これからまさに必要となる考え方が少しは整理されたものになっていると思います。「マチノコト」をこれまでやってきたなかで思うのは、いま言われている「地方創生」という言葉だけで終わるのではなく、きちんとその地域に住む人たち自身が自分たちでどう地域を捉え、考え、そして実践していくかを真剣に向きあわなければいけない時代といます。それは、ただ箱物を作っておわりでもなく、これまでの過去のレガシーを踏襲するのではなく、レガシーを現代に再構築したり、いままでにない新しい挑戦をしたりすることが求められている時代でもあります。そのためには、これまでの常識やしがらみから少し客観的な視点をもち、必要なリソースや人材を引っ張ってくるための情熱と仕組みをつくる冷静な目が必要です。そのために、これまでではつながらなかった他分野の人たちと出会い、交流するなかからヒントが生まれてくるかもしれません。もちろん、そこには痛みもあるかもしれません。領域が違えば価値観も、ときには思考回路や言語も違ったりします。それは、円滑にコトが運ぶことは少なくて、衝突や摩擦が起きることは必然です。しかし、その手間をかけることによって、いままでとは違った何かが生まれてきます。その手間を惜しむこと無く、新たな摩擦を生み出すための場をどうつくっていくか。それが、未来への新たな一歩だと考えています。そんなことを思いながら、2016年以降はこれまで以上に色んな企画やプロジェクトを全国各地でつくっていきたいなと考えています。

あと、2013年の年末に書いた「始める一歩と終わるデザイン」で言及した「終わりのデザイン」のことが自分的には個人的にも追い駆けたいテーマになっています。個人的な「死」や「老い」だけでなく、社会における「死」や「老い」を受け入れる価値観や思想、そして個人や法人含めたありとあらゆるものに対しての引き際を見極めながら、本質的な意味でモノゴトを継承させていくための価値体系をどうつくるか、といったことです。人も会社もNPOもプロジェクトも、すべては始まりがあれば終わりがあります。その終わりのタイミングを見極め、うまく次へとバトンを渡すためにできることはなにか。あらゆるものが老いることがインストールされているからこそ、新陳代謝やイノベーションも起きるはず。利己で考えるのではなく、社会全体における問題として捉えたときのあり方を見つめなおすためのきっかけとして新たな価値観としての「死」や「老い」、「終わりのデザイン」を問題提起や問いかけていければ。

また、会社を設立したこともあまり周囲にきちんと報告できていなかったのですが、2016年には法人として本格的な事業や実践をしていく予定です。そのための準備を今年1年間で色々とやってきました。どういうことをしようとするのかも、これから色々と話をしていければ。もちろん、バイトやインターンなども常に募集しています。すでに12月の中旬から海外の大学でジャーナリズムを勉強していた子をインターンとして受け入れいて、リサーチやらをお手伝いしてもらっています。日本にまだあまりない概念や取り組みを研究していますので、色々と形が見えてきたらみなさんにもなにかしらの形で発表したいと思います。

今後は、編集を軸にさまざまなクリエイティブをみなさんに一緒につくっていく楽しみをもっています。色んな方々と仕事を通じてお世話になるかと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。














2015/12/25

スクーで「ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養」と題した5回連続講義を行います

2015年6月に共著で執筆した『ICTことば辞典』。テクノロジーの進化によって私たちのIT環境が大きく変化してきているなか、その言葉の意味やそれがもたらす社会的な変化などをまとめた内容になってて、辞典といいつつも読み物としても活用できる内容になっています。色んな方々に好評で、会社の新人研修とかIT業界ではない人たちにとっての入門的な内容になっています。

そんな『ICTことば辞典』に掲載しているキーワードをベースに、ビジネスパーソン向けに「仕事に活きる教養や知識をアップデートする」ことをテーマにオンラインウェブCampus「スクー」で5回連続で講義をすることとなりました。

これまでにもスクーではネット選挙について藤村龍至さんと一緒に東京都のまちづくりについて、同世代の編集者たちと一緒に「編集」についてのトークセッション地域活性をテーマにした講義などを行ってきましたが、今回はビジネスパーソン向けにテック系をテーマにお話させていただきます。『ICTことば辞典』を参考書に、お手元においてぜひご覧くださいませ。


第一回:12月19日
ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養 -わたしたちのくらしとIoT
https://schoo.jp/class/3016

第二回:12月26日
ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養 -ビッグデータで変わるマーケティングの未来-
https://schoo.jp/class/3017

第三回:2016年1月14日
ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養 -オープン化で変わる政治・社会の未来-
https://schoo.jp/class/3029

第四回:2016年1月21日
ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養 -ICTが変える教育の未来-
https://schoo.jp/class/3030

第五回:2016年1月28日
ネット時代のニュースを読み解くビジネス教養 -体験から考えるデザインの未来-
https://schoo.jp/class/3031





2015/12/06

そこには人がいたということを僕たちは知っている:『ブルーシート』を観てきました




詩のように紡ぎだされる台詞。舞台で広がる芝居は、現実の世界のような、フィクションの世界のような。そんな感覚を抱きながら、生きること、死ぬこと、個という存在、社会という見えないものを説いた作品だった。

12月5日午前11時、フェスティバル/トーキョー15で鑑賞した飴屋法水さんの『ブルーシート』。仮設校舎のグランドを舞台にいわき総合高校の生徒10人で2013年に上演した作品の再演。

初演を演じた生徒たちも高校を卒業したり、新たな出演者を通じて「生きること」と向き合いながら、もがきながら、そこには当たり前の日常のようなやりとりが舞台で行われる。演技とも、即興とも、素の様子、それらが交じり合った、ありのままの美しい人の姿がそこにはあった。

ときに社会や大きな出来事があったとき、そこにいる一人の「個」への視線が抜け出ていくことがある。10人いれば10人それぞれの人生があり、10人それぞれに出来事をきっかけに影響しあっている。そうしたことを僕たちはつい忘れがちである。

「人は、見たものを、覚えていることができると思う。人は、見たものを、忘れることができると思う。」覚えておくことも忘れることもできるからこそ、人は成長し、前へと進むことができる。けれども、どんなに忘れようとしても、そこであったことは消すことはできない。

僕たちで人であるかぎり、僕たちが人であることをやめないかぎり、人と向き合い、人とともに生きる。時間も、場所も、考えも違う人であっても、そこには必ず人がいるということを僕たちは忘れてはいけない。

晴れ渡る冬の空の下で行われた『ブルーシート』。次見たときには、また違った光景と思考が巡りあうのだろう。それまで『ブルーシート』の戯曲を手元に置いて時折読みなおしてみよう。




2015/12/03

立教大学でゲスト講師をしてきました


先日11月17日に、いま一緒にNPO法人インビジブルを運営している菊池宏子さんにお呼ばれして、立教大学のコミュニティ福祉学部の「キャリア形成論」という授業にゲスト講師で学生さんたちにお話させていただいた。

授業の枠自体は3限と5限の二回でしたが、3限のほうは100人以上の大講義室での授業、5限の授業では20人くらいのゼミ形式と、同じ「キャリア形成論」の名前がついた授業でしたが、学生さんたちの様子も違って面白かったです。

キャリア形成論って授業ですが、内容としては、ゲストで30分ほどキャリアやらいまの仕事に至るまでも紆余曲折な道を共有して、学生さんたちに多様な生き方を通じて社会と向き合うことの面白さや楽しさを知ってもらうこと。その後、ゲストが取り組んでいるテーマや業界について考えて、発表させたりグループワークをしてもらう二部構成な内容で僕のときには展開されました。(ゲストによっても内容を変えているとか)

キャリアの話でいえば、たしかに公務員から退職して大学生になり、大学在学中にフリーで活動し、いまや会社やらNPOやらの活動もしたりと、一般的に会社に勤めてとは違った生き方をしているかもしれない。やっている仕事自体の幅はたしかにあるけど、その根底にあるのは自分自身と世の中との向き合い方で、それに必要なスキルや能力を自分から能動的に学んだり習得しようと努力し続けることが重要だと僕は思う。色々とやってきた内容はそこそこに、僕自身が普段考えていることや、仕事を通じて目指したい世界観などについて学生さんたちに話をさせてもらった。もちろん、全部をそんな短時間で理解するのは難しいと思うけど、なにか気づきや生き方の参考になれば。

で、キャリアの話はそこそこに、授業の後半では講師の菊池さんと話した結果、ちょうど大学生たちにも関わりがある「18歳選挙権」について、学生さんたちに率直な意見をもらう場に。3現の授業では学生さんたちにまずは4,5人くらいのグループワークをしてもらい、賛成と反対の意見を言うワークをし、いくつかのグループは代表者がグループで議論されたことを発表してもらいました。次に、数人の学生さんを壇上にあげ、僕がモデレーターをしながら、登壇したゲスト学生たちに質問や意見を振って、話してもらうトークセッションスタイルに。

議論して、「地元といま住んでいるところでの住民票による投票権の話」や、「いつからが大人になるのか」という大人の議論など、色んな話題になり、学生さんたちも普段なかなか考えないような話をしたかもしれません。

同時に、自分たち自身の身の回りのことだけでなく、社会全体に対する想像力をいかに養うか、自分だけでなく公益性やら社会性を考えるために必要なものごとのロジックや道理を理解するためにもっと日々色んなことを経験したり考えたりしてもらいたいな、と思いながら授業をさせてもらいました。

3限のときの様子

5限では、人数はゼミ形式な感じだったので、3限と同じくキャリアの話を前半にしつつ、後半では18歳選挙権に関して、肯定派と反対派に即席で分かれてもらい、ディベートをやってもらうことに。これも一つの想像力を養ういい訓練になったと思う。もちろん、普段なかなか考えないテーマなので、論点の稚拙さとか議題の形成はやや弱い部分はあるけど、それよりもまずは「考える」ことが大事。考えて、行動し、そしてフィールドバックをもとにまた考える。つねに思考し続け、自分が直接は体験していないことも想像しようとする努力をすること。そこから将来の仕事とか生き方とかにつながるはず。

5現のときの様子
これまでにも、東海大学とか早稲田の大学院ジャーナリズムコースとか、色んなところで授業やらゲスト講師をさせてもらったけど、やはり、一回の授業で教えられることなんてたかがしれてるし、多くがスキルやらキャリアやらの話で終わってしまう。そうではなく、学生とともに時間を過ごし、一緒に考え、学びながらなにかをつくりあげるような、そんな経験をしていきたい。

それなりに自分自身も色んな経験をしてきて、自分の成長や学びもさることながら、同時に次の世代に向けても同時並行で教え学び合う関係を作っていきたいと思う。大学でゲスト講師として登壇するたびに、非常勤でもいいので大学で授業とかゼミを持ってみたいと思う。

これからも、大学の講師やゲストは、できるだけ積極的に受けていきたい。当たり前かもしれないけど、僕達の世代は今以上に色んなものを学び、考え、想像し、そして他者とともに仕事をしていきながら、世の中を面白くしていかないといけない。大学という色んなものを経験したり見聞したりできる時代に、大人がどんな学びや刺激の環境が提供できるか。自分の成長と他者の成長を喜びながら、ともに考えともにつくる学びの場をこれからも提供していきたい。




オリジンとコピーはどっちがおいしいか

先日、とある料理発祥のお店に食べに行った。値段もそこそこするしお店もそれなりに混んでて繁盛している様子だった。

注文して料理を待つこと数分。料理が到着し食べてみると。うん。たしかに、悪くない。けれども、味は普通、というと申し訳ないが、とりわけて美味しいかというとそうでもない。別に自分の舌が肥えていないとかそういったものでもなく、まぁ、たしかに味は悪く無い、と思うレベル。

よく、色んな地域に行く度に「◯◯発祥」とかを売りにしているところも多いし、東京でも色んな料理の発祥のお店があったりする。えてしてそうしたお店は非常に混んでいるけど、味の美味いかどうかはまた判断が別れるところ。けれども、観光ガイド本などを見るとだいたいがそうした発祥のお店がまとめられてるし、美味しい場所、一度食べるべき、などと味や料理への評価や期待値が高いことも多い。

ここで、「発祥=オリジン」というものを考えてみる。発祥とは、あるモノやコトが生まれたことを指し、「発祥の地」とか、「◯◯発祥のお店」と言われることが多い。ルーツとか原点、元祖、由来とか色んな表現をされることがある。

発祥とはいわばゼロイチ、無から有を産んだ場所であり、かつ、それまで世の中に無かったものをうみだしている。それは、言い換えればそのモノの時間軸がそこから生まれたとも言える。カレーライスはカレーライスとして世に生まれてからの歴史しかないし、インターネットはインターネットとして世に誕生するまではインターネットの歴史はないわけで。

そうしたときに、発祥というのはその新しい時間軸を生み出したことにこそ価値があるとともに、それが現在まで続いていることにおいて、世界で最も長い時間軸を抱えているものだといえる。で、その発祥をもとに例えば修行をしたり見よう見まねでコピーをしたもの、分家、分社したものによっていまの豊かな食文化や製品が生み出された。

発祥のものからヒントを得てその後に続く人たちは、どうにか自分らしいものや顧客を満足しようと独自の進化や改良を加える。それによってさまざま派生が生まれ、ベースや料理名は同じでも、ちょっとした手間や隠し味、調理方法の工夫などが行われる。

さて、発祥のところは自分たちによって創造したものを軸にさまざま改良や工夫を行うだろう。ただ、新しいものを生み出したことによる体外的な評価は、特にそれ自体を維持するための保守的な力が働き、時代のニーズとは違った愛でるものとして存在することもしばしおこる。保守的な力はときにそれ自体を維持するためのコストはブランディングによって、料理であれば味というそのものとは違った評価係数が働きだす。伝統とか歴史というにもそこにはいってくる。もちろん、その発祥のモノを生み出したという功績は大きい。実際に、どのように考案し、どのように生み出し、そして現在まで続いているか、という重層化された時間の重みがある。

なので、発祥のお店に行ったからといって、そのお店のそれが最も美味しいモノとは違う。もっと言えば、ある意味で発祥のときのままの味を軸に維持した正統派なものであれば、美味しさの評価も現代人のそれとはまた違ったものと言えるかもしれない。そこで支払っているものは、料理も含めたそこで生まれたという事実やそれを現代まで引き継いだという手間も含めたものに払っているといえる。よく、発祥のお店が一番美味しい、という言説があるが、それもまた違ってて、人の味覚や趣向は多種多様だからこそ、一元的な、絶対的な評価ではなく、最終的にはその人にとって最も良いと思えるものを選択すればそれで良いのではないか。

もちろん、現代に合わせて味を変化させるお店も多くある。それはそれでお店なりの工夫や手間をしているものだ。よく言われるが、伝統とはただそこにあるものを引き継ぐだけでなく、現代にあわせて変化や革新性を持たせたものだ。つまり、伝統とはある意味で時代における革新性を帯びたものでもある。つまり、伝統と表現するときには、常に時代に呼応したイノベーションが合わさっているわけで、そのための手間を長い時間軸をもった人たちも考えていきながら、多様なモノが生み出されてほしいと思う。

発祥のお店は発祥なりの意味や意義がある。だからこそ、評価すべきポイントや見るべきポイントを変えてみると、世界は変わってみるかもしれない。













2015/11/14

本と人の幸福な出会いのつくり方、に登壇します

コンセプトや立ち上げに関わった神保町のEDITORY。最近では地域と連携した企画を展開するなど、当初掲げていた地域ネットワークの渦となる場にしだいになりつつあります。

そんなEDITORYで開催される、本にまつわるイベントにモデレーターとして登壇します。お時間ある方はぜひご参加ください。

イベントと連携して、ホンシェルジュさんに本にまつわる取材も以前されました。こちらも御覧ください。
http://honcierge.jp/articles/interview/63
(前編)
http://honcierge.jp/articles/interview/64
(後編)

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「最近、どんな本と出会いましたか?」

じじ神保町では、ちょうど一年前に『小さな本屋のつくり方』というイベントを開催しました。
“本屋のつくり方”や“これからの本屋のありかた”について、小さな書店を営む店主の方々と、参加いただいた60名のみなさまとが一緒に考える機会になりました。

今回はちょっと視点を変えて、“本と人の幸福な出会い”がテーマです。

みなさんは心に残る本との出会いを経験したことがありますか?

出版不況といわれるいまの日本ですが、1日に150冊以上もの本が発刊されているそうです。

街の書店だけでなくインターネット書店やコンビニでのサービスもひろがり、本そのものも紙とデジタルが存在する世界。
そんな中、わたしたちと本との出会いのカタチも多様化しているのではないでしょうか。

今回のじじイベント『本と人の幸福な出会いのつくりかた』では、2013年にブックキュレーションサイト『honcielge(ホンシェルジュ)』を立ち上げた東海林真之さん、「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」「CIBONE」などのブック担当を経て移動式本屋『BOOK TRUCK』をスタートした三田修平さん、本との出会いの仕組みづくりを日々考え、『本のアプリStand』を開発した井上隆行さんの3名をゲストにお迎えします。

モデレーターは編集者/ジャーナリストの江口晋太朗さん。情報社会の未来や参加型市民社会など、領域を越えたテーマのもとにメディア運営や企画と幅広く活動されています。

世界一の本屋街『神保町』で、本をこよなく愛する方々と、本との幸福な出会いのつくりかたについて一緒にお話ししましょう。

いまの自分にぴったりの本と出会いたい方、本と人との出会いをつくる手伝いをしてみたい方、とにかく本の好きな方、この機会にぜひご参加ください。お待ちしています。


==========イベント概要==========
▼日時
2015年11月19日(木)19:00~22:30

▼タイムテーブル
18:30 開場
19:00 トークショースタート
21:30 - 22:30 懇親会
※イベント料金の中に懇親会参加費も含まれます。

▼場所
EDITORY
東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル2F
(http://www.editory.jp/map/)
神保町駅 A4出口より徒歩1分

▼チケット
3,000円
(1ドリンク/懇親会参加費含む)
★★★ お申込みはコチラから ★★★
http://ptix.co/1l3GSzS

▼定員
66名

▼ゲスト
<トークゲスト>
東海林真之さん(ホンシェルジュ)
三田修平さん(BOOK TRUCK)
井上隆行さん(本のアプリStand)
<モデレーター>
江口晋太朗さん(編集者/ジャーナリスト)

▼ゲストプロフィール

○東海林真之さん
しょうじ・まさゆき|野村総合研究所コンサルティング事業部時代は、主に不動産、エネルギー、交通など企業の事業戦略策定/マーケティング支援/新規事業策定に従事。その後自ら会社を興し、現在は書籍キュレーションのプラットフォームを構築/運営中。
人を通じて本に出会えるプラットフォーム、ホンシェルジュ(honcierge)を開発・運営。出版社に勤める両親のもとで生まれ、本に囲まれて育つ。読みたい本がたくさんあるが、それ以上に購入する本の数の方が多すぎ、積ん読(ツンドク)が増えていくのが悩み。

○ホンシェルジュとは?
自分のおすすめの本を並べる本棚を作れるサービス。会員登録は無料。著名人や書店員の本棚を見ることもできる。その他にも、自分の気になるテーマの本棚をリクエストできるなど、本との出会いにあふれるウェブサイト。

honcielge(ホンシェルジュ)
http://honcierge.jp/



○三田修平さん
みた・しゅうへい|1982年生まれ。「TSUTAYA TOKYO ROPPONGI」、「CIBONE 青山店」のブック担当を経て、渋谷の出版社兼書店「SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS」の店長をオープンから4年間務める。2012 年に独立し、同年3月、移動式本屋「BOOK TRUCK」を始動し、2013年10月には集合住宅の一室を改装した固定の店舗「BOOK APART」を大倉山(横浜)にオープンする。2015年には固定店舗の移転に伴い「三田商店」と改称。馬喰町の飲食店「イズマイ」、そごう・西武のライフスタイルショップ「ハニカムモード」のブックセレクトなど、様々な形で本の販売に携わる。

○BOOK TRUCKとは?
公園や駅前、野外イベントなどの行く先々に合わせて、その都度品揃えや形態が変わる移動式本屋。
ブルーグレーのトラックに新刊書、古書、洋書、リトルプレスなど約500冊を詰め込んで、関東を中心に様々な場所に出店中。

○BOOK TRUCK
https://www.facebook.com/Booktruck/



○井上隆行さん
いのうえ・たかゆき|Webサービスエンジニア、本のアプリStand代表。

○本のアプリStandとは?
iPhoneから簡単におもしろい本を紹介できるアプリ。バーコードスキャンなど、アプリの機能を利用して手軽に本のコメントをポストできるほか、フォロー、いいねなどのソーシャル機能で自分好みの本が流れるタイムラインを作ることができる。2015年3月公開、Appleベスト新着にも選択。この夏から、おもしろい本屋さんや本の作り手を取材する記事製作にも取り組む。

○本のアプリStand
https://standbk.co/



▼モデレータープロフィール

江口晋太朗さん
えぐち・しんたろう|1984年生まれ。福岡県出身。編集者、ジャーナリスト。TOKYObeta Ltd.代表取締役。情報社会の未来やソーシャルイノベーション、参加型市民社会のあり方などをテーマに、領域を越境した企画制作やプロデュース活動、リサーチ、メディア運営を行う。コミュニティデザインマガジン「マチノコト」を運営するNPO法人スタンバイ理事、アートプロジェクトを推進するNPO法人inVisible理事、インディーズ作家を支援するNPO法人日本独立作家同盟理事などを務める。ネット選挙解禁に向けて活動したOne Voice Campaign発起人。Open Knowledge Foundation Japan、Code for Japanのメンバーとしてオープンガバメントを推進する活動も行う。著書に『ICTことば辞典』(三省堂)『パブリックシフト ネット選挙から始まる「私たち」の政治』(ミニッツブック)など。



▼主催
じじ神保町
http://www.facebook.com/jijijimbocho
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2015/11/09

手紙を書くように友人を祝福する

先日の日曜、大切な友人同士が結婚する晴れやかな式を迎えた。
建築家とクリエイターという、領域や考えていることが違いつつも、根底で共鳴する価値をもっているこそ互いに補完し合える関係にある二人。
それぞれに僕自身が尊敬し、いつも色んな発想をいただいている大切な友人同士。
そんな二人の門出をぜひ祝ってほしいと、挨拶を述べてることになった。

依頼をいただいたときから、僕自身が二人をいつも見てて感じること、そして、未来に向けたエールを込めた手紙を送ろうと思い、ずっと言葉を紡ぎだしていた。
二人のこれまでの活動や考えを汲み取り、自分なりに解釈して言葉にした二人に向けた手紙。

これからも、素敵な二人でいてください。
おめでとう。そして、これからもよろしく。


2015/11/02

ホンシェルジュさん「本とコーヒー」をテーマに取材されたので選書してみました

先日、ホンシェルジュさんに取材された記事がでました。記事は前編後編とわかれているみたいです。

「コーヒーと本」ってことで、コーヒーを飲みながら色んなことを夢想しソウゾウ(創造・想像)するような選書をしました。

社会の常識や当たり前をあえて疑うためにも、歴史や過去を振り返ることの意味はとても大きいと思ってて、そこからあったかもしれない未来やありえないことを考えてみることから、イノベーションだったり新しい価値を生み出す源泉になると思っています。

実はひっそりと活動している「未来編集委員会」で考えてることもちょっと触れています。(こちら、そろそろ本格的に稼働予定でいます)

http://honcierge.jp/articles/interview/63
(前編)
http://honcierge.jp/articles/interview/64
(後編)

2015/10/03

人は変わり続ける

数ヶ月会っていない人と久しぶりに会うと、髪型や格好もそうだし、時にはぱっと見た時の雰囲気も違ってたりする。
その原因は、会っていない間に仕事でいい経験をしたり、どこか旅に出てたり本を読んで感動したり、恋愛だったり食生活などの日々の習慣を変えたり、これまでの言動を振り返って発する言葉や会話の仕方を変えようとしていることかもしれない。
そうした変化は微細で、なかなか気づきにくいものかもしれないけど、確かにそこには変化が生じている。
その変化をつぶさに感じ取るような振る舞いが、かつてはあったような気がする。
まだ電話も普及していない時には、手紙のやり取り一つとっても相手の変化を感じ取っていたかもしれない。
携帯電話やメールがない時代には、道端でばったり出会ったり偶然の出会いでもそうしたことが読み取れたかもしれない。
最近では、SNSでなんとなく誰とでもつながってるようにみえるが、そこに現れるのはその人のごく一部であり、つながってる"風”でしかない。
けれども、せわしい日々のなか、なんとなく見ているSNSの書き込みや周囲の様子から、ついつい目の前にいる人の変化に気づきにくくなっているかもしれない。
久しぶりに会った人であっても、どこか変化しているところがあるはず。
それをきちんと私たちは読み取っているだろうか。
相手ときちんと対峙しているだろうか。
感情や相手の気配に対して鈍感になってはいないだろうか。
どんなにテクノロジーが進化していようとも、その起点にあるのは人間だからこそ、やはりしっかりと人を視ることを怠ってはいけない。
人は常に変わり続けるからこそ、その変化に気づけるようになりたい。

2015/09/23

9月26日開催「まちの人々を繋ぎ、地域を変えていく、ソーシャルコミュニケーションの考え方」に登壇します

いままさに全国で行われている「海の日ごみゼロキャンペーン」は、おかげさまで多くの人に参加いただいている大きなキャンペーン活動となりました。
こうしたキャンペーン活動を通じたソーシャルコミュニケーションの在り方について、キャンペーンを展開しているグリーンバード、ピリカ、マチノコトの三団体より、それぞれの活動やPR戦略についてお話させていただく場を用意していただきました!
NPO関係者など、多くの方々にご参加いただけると嬉しいです。

http://socialactionchangelocal.peatix.com/
(イベントページ)

以下、イベント概要です。
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http://socialactionchangelocal.peatix.com/
神田神保町エリアのまちの活性化に取り組む、本の街・神保町のコワーキングスペース EDITORY神保町。

NPOや個人事業主など、企業だけではなく幅広く様々なカタチの組織の新たな挑戦・活動をPR支援する株式会社バリュープレス。両社は今年度よりコラボを行い、セミナー/イベントの開催を行っています。

今回は、EDITORY 神保町が取り組む『地域やまち』、株式会社バリュープレスで近年お問い合わせが増えている『NPOのPR・コミュニケーション』をキーワードに、日本財団とともに2015年7月20日から9月まで実施する、参加型クリーンキャンペーン「うみゼロ−海の日ごみゼロアクション2015」でコラボレーションしている、株式会社ピリカ、NPO法人グリーンバード、NPO法人スタンバイの3者をお迎えして、ソーシャルコミュニケーションの考え方、ノウハウを学べる、下記のようなお話が聞けるトークセッションを開催します。

「うみゼロ−海の日ごみゼロアクション2015」を事例に、各団体がコラボレーションするきっかけや、具体的なプロジェクトの進行とその手法、どのような効果が起きはじめているのか?など、様々な観点で掘り下げていきます。
また、各団体の取り組みや、大事にしている想いも、お話いただきます。

トークセッションの後、ゆるやかに交流会も開催しますので、ゲストの貴重なお話だけではなく、ここで出会った方々との交流もお楽しみください。

【当日のプログラム】
①「うみゼロ−海の日ごみゼロアクション2015」プロジェクトについて 
・実施のきっかけは?それぞれの目的は?
・関係の築き方
・具体的なプロジェクトの進行
・達成で得た効果
・今後の取組み

②メディアの活用について
・戦略
・アプローチ先のメディアや具体的な内容、手段・効果
・効果

③各団体の取り組みや、大事にしている想い

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【 イベント概要 】
日時:2015年9月26日(土)15:00〜17:30
14:30:開場
15:00:トークセッションスタート
16:30:交流会
17:30:終了

場所:HASSO CAFFE
東京都千代田区神田錦町3-22 テラススクエア 1F
※今年の5月に完成した、神田神保町・錦町エリアの新しいランドマーク「テラススクエア」の中にあり、博報堂旧本館を復元、あらゆる発想を生む様々な仕掛けがある空間です。

参加費:お問い合わせ多数のため、今回チケット代金を無料にてイベント開催になりました。
※会場で、1ドリンクのご注文をお願いします!

定員:32名(先着順)

主催:EDITORY 神保町、株式会社バリュープレス

お問い合わせ先:EDITORY 神保町 河原田(かわらだ) kawarada@editory.jp
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■ゲスト紹介
小嶌不二夫(こじま・ふじお)
株式会社ピリカ 代表取締役
1987年、富山県生まれ。 2009年、京都大学大学院エネルギー科学研究科に入学、半年で休学。ベトナムでインターン生として営業職に従事し、2ヶ月目から営業成績1位に。 2010年、かねてからの夢であった環境問題解決事業を立ち上げるためのヒントを探すべく世界一周の旅に出発、18カ国を旅する。帰国後、「地球からポイ捨てごみを無くす」ことを目的に、ごみ拾いの見える化と記録を行うスマートフォンアプリPIRIKAを開発、2011年に会社化。 ピリカはこれまでに世界74ヶ国で利用され、累計1,700万個以上のごみが拾われている。 2013年、ドイツで行われたeco summit 2013で金賞を受賞。

横尾俊成(よこお・としなり)
NPO法人グリーンバード代表理事、NPO法人スタンバイ代表理事
1981年神奈川県横浜市生まれ。コミュニケーションの力で日本のNGO・NPOや地域盛り上げたいと2005年4月、広告会社の博報堂に入社。「会社もまちに貢献するべき」との思いから、仲間と「グリーンバード赤坂チーム」を設立し、リーダーを務めた。2010年10月、博報堂を退社し、NPO法人グリーンバードの代表に就任。まちにある様々な問題を解決するためには、これまで社会の仕組みをつくってきた組織の内側から変えていくべきだとの思いから、地盤、看板、鞄何もないところで港区議会議員に立候補。初めての選挙で当選する。現在、まちの課題を、若者や「社会のために役立ちたい」と思う人々の力で解消する仕組みづくりをテーマに活動していている。第6回マニフェスト大賞受賞。月刊『ソトコト』で「まちのプロデューサー論」を連載中。


江口晋太朗(えぐち・しんたろう)
編集者・ジャーナリスト/ NPO法人スタンバイ理事
1984年生まれ。福岡県出身。編集者、ジャーナリスト。未来に向けた情報設計や環境デザインを実践するためのリサーチや企画プロデュースを行う。 様々な領域を横断しながら、社会問題の解決をテーマにサービス開発やメディアづくりなどに携わる。
まちに参加する人を増やすアクションプラットフォーム「マチノコト」を運営するNPO法人スタンバイ理事、NPO法人inVisible理事、NPO法人日本独立作家同盟理事などを務める。ネット選挙解禁に向けて活動したOne Voice Campaign発起人。Open Knowledge Foundation Japan、Code for Japanのメンバーとしてオープンガバメントを推進する活動も行う。著書に『ICTことば辞典』(三省堂)『パブリックシフト ネット選挙から始まる「私たち」の政治』(ミニッツブック)など。


主催:
EDITORY 神保町

住所:東京都千代田区神田神保町2-12-3 安富ビル
代表取締役:安富太郎
Tel:03-3263-0202 (平日10:00-19:00)
お問合わせ:http://www.editory.jp/mail/
神保町を拠点に、地域に密着したコワーキングスペース・EDITORY神保町で、神田エリア周辺の活性化プロジェクト「THINK! Tokyo Local」に取り組む。
プロジェクトの一環として、神田古書店連盟、神田スポーツ店連絡協議会、ちよだ音楽連合会の会長などをお招きして、まちを活性化させるため、企業や学生など垣根を越えた方が集まって意見交換する会を月に1回開催中。
➤EDITORY 神保町
➤THINK! TOKYO LOCAL webサイト
【THINK! TOKYO LOCAL プロジェクト詳細記事】
➤現代ビジネス デジタル・エディターズ・ノート
神田エリアで「動く街づくり」を目指す「THINK! TOKYO LOCAL」プロジェクト


2015/09/16

中目黒で鳥取を楽しむ3日間−−9月20日開催「地域のかたち−鳥取でつくり、暮らし、育むこと−」に登壇します



いま、仕事で関わっている 鳥取藝住祭​。アーティストが一定期間鳥取の各地に滞在し、作品制作を行うアーティストインレジデンスの取り組みです。他にも、最近では鳥取ではさまざまな地域の取り組みが行われています。そうした、鳥取という地域について知るイベントが9月20日に中目黒で行われます。

ぜひ、お時間のある方はご参加くださいませ。

http://tottorigeiju.com/journal/tokyo-pr-event/

以下、イベント概要です。
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鳥取藝住祭2015のPRイベント「地域のかたち ―鳥取でつくり、暮らし、育むこと―」を東京の中目黒にて開催します!

鳥取で生まれたアート作品を鑑賞したり、民藝を買ったり、アーティストが五感を通して鳥取で感じたことを聞いたりと、盛りだくさんのプログラムです!会期は9月19日(土)~9月21日(月・祝)の3日間。20日(日)は、鳥取で滞在制作をしたアーティストのトークセッションも行います。鳥取で暮らすこと、鳥取という地域の新たな魅力についてぜひ感じていただきたいと思います。


企画概要
人口57万人という日本で最も人口の少ない鳥取県では、ここ数年県内各地の個人・団体が国内外のアーティストを招へいし作品制作と発表を行うアーティスト・イン・レジデンスの取り組みが盛んに行われています。また、建物をリノベーションし積極的に地域と関わるゲストハウスやコミュニティスペースが誕生。それらの場を中心に新たな地域コミュニティが生まれるなど、文化的な取り組みや地域の新たな価値をつくりだす試みが増えています。そこには、これからの暮らしや働き方、人とのつながりを模索する大きな時代の転換点とも呼応します。

そうした、新たなかたちを模索する鳥取を体験するため、東京で活動する複数の団体が協力し、東京・中目黒で鳥取を楽しむ3日間を開催します。鳥取で生まれたアート作品を鑑賞したり、民藝を買ったり、アーティストが五感を通して鳥取で感じたことを聞いたりしながら、鳥取で暮らすこと、鳥取という地域の新たな魅力について感じてみてください。

開催期間
9月19日(土)~9月21日(月・祝)

プログラム
◆9月19日(土)~9月21日(月・祝)
・12:00〜19:00 鳥取藝住祭出品作品展示
会場:サニーサイド・カフェ
東京都目黒区上目黒1-4-2惣秀ビル 1F
東急東横線・日比谷線「中目黒」駅から徒歩約2分

・11:00~20:00 SML五周年企画『牧谷窯の仕事』 ※展示は9月30日(水)まで
会場:工藝 器と道具「SML」
東京都目黒区青葉台1-15-1 AK-1ビル1F
東急東横線・日比谷線「中目黒」駅から徒歩約7分

◆9月20日(日)
・12:00~19:00 地域のかたち ―鳥取でつくり、暮らし、育むこと―
会場:PANOF STUDIO NAKAMEGURO
東京都目黒区青葉台2−20−3 Koyano BLD 1F
東急東横線・日比谷線「中目黒」駅から徒歩約10分

◉トークセッション1 13:00~15:00
「アーティストから見た鳥取」
鳥取藝住祭では国内外で活動する様々なクリエーターを招き、鳥取県内に滞在しながら作品制作を行うプロジェクトを進めています。
当セッションでは、昨年開催された鳥取藝住祭2014で、コンセプトブックの写真撮影を行った松本美枝子さん、倉吉市関金温泉で滞在制作を行った中島佑太さん、そして現在開催中の鳥取藝住祭2015に参加している建築家のmi-ri meterが鳥取で制作した作品紹介や、鳥取での滞在制作は自身にとってどのような機会となったか。フォトグラファー・アーティスト・建築家とそれぞれの視点から、鳥取という場所の面白さやアーティストから見た鳥取の魅力について語っていただきます。

スピーカー
・松本美枝子(フォトグラファー)
・中島佑太(アーティスト)
・mi-ri meter(建築家)
モデレーター
・林曉甫(鳥取藝住祭2015 総合ディレクター)

◉トークセッション2 16:00~17:30
「住みながら場所をつくる」
湯梨浜町にあるゲストハウスとカフェが併設された「たみ」を運営する三宅航太郎さんと、八頭郡八頭町隼地域でカフェ&コミュニティースペース「HOME8823」を運営する古田琢也さんから、鳥取を拠点に地域の場づくりの可能性について話をしていただきます。
それぞれ地域に根づいた独特の活動を展開し、県外からも注目を集めるこれらの場所はどのように始まり、普段どのように運営されているのか。立ち上げから今、そしてこれからの展望について話をしていきます。また、三宅氏は現在「とっとりあそびば不動産」という鳥取の遊休不動産で活動したい人をつなげるサービスの立ち上げも進めており、これから鳥取でなにかを始めたい人たちに、いま鳥取で活動することの魅力について話してもらいます。

スピーカー
・三宅航太郎(うかぶLLC代表/あそびば不動産ディレクター)
・古田琢也(トリクミ代表/デザイナー)
モデレーター
・江口晋太朗(編集者・ジャーナリスト)

会期中、サニーサイド・カフェと、PANOF STUDIO NAKAMEGUROにて、鳥取県産の梨を使用したプレミアムフルーツリキュール・ルジェ×鳥取20世紀梨コラボカクテルをお楽しみ頂けます。

イベントお問い合わせ先
鳥取藝住祭事務局
0857-30-6344(担当:濱井)
info@tottorigeiju.com

主催
アーティストリゾートとっとり芸術祭実行委員会 鳥取県

後援
鳥取県教育委員会 鳥取市 鳥取市教育委員会 倉吉市 倉吉市教育委員会 米子市 米子市教育委員会 岩美町 岩美町教育委員会 大山町 大山町教育委員会 日野町 日野町教育委員会 カナダ大使館 中海カナダ協会 新日本海新聞社 朝日新聞鳥取総局 山陰中央新報社 毎日新聞鳥取支局 読売新聞鳥取支局 産經新聞鳥取支局 日本経済新聞鳥取支局 中国新聞鳥取支局 NHK鳥取放送局 日本海テレビ BSS山陰放送 TSK山陰中央テレビ 共同通信社鳥取支局 時事通信社鳥取支局 日本海ケーブルネットワーク 中海テレビ放送

助成
平成27年度 文化庁 文化芸術による地域活性化・国際発信推進事業

協賛
サントリースピリッツ株式会社

協力
サニーサイド・カフェ、大山望

2015/09/08

NewsPicksのインフォグラフィック企画に編集協力しました



ソーシャル経済ニュースのNewsPicksに在籍している、インフォグラフィックのエディターなどをやっている櫻田さんとコラボし、『インフォグラフィックで復習。オープンガバメントの歩み』という企画の編集をお手伝いしました。

きっかけは、共著で執筆した『ICTことば辞典』を出版し、献本ついでにNewsPicksのオフィスにお邪魔したときでした。櫻田さんとは、以前から親交があり、また櫻田さん自身も最近『インフォグラフィックで見るApple, Google, Facebook, Amazonの買収戦略 』を上梓したばかりで、メディアにおける記事の在り方などを研究されていたこともあり、互いの書籍に関しての意見交換などをするところから話が弾みました。

『ICTことば辞典』は、従来のIT関連の用語集と違い、テクノロジーと私たちの生活がどのように密接に結びついているか、その背景やメリットデメリット、テクノロジーと法律や社会課題に関する記述が豊富なことが特徴です。そうした内容なこともあり、『ICTことば辞典』とNewsPicksの読者層との親和性が高いということから、『ICTことば辞典』にある単語をもとに、再編集などをしてそれをインフォグラフィックにして一つの文脈のなかで記事としてできないか、と話をしながら出てきて、実現した企画となりました。

インフォグラフィックの作り方については、櫻田さんのブログでも紹介されているように、はじめにいくつかの単語などをもとにテーマを設定したり、そこから一つのキーワードを深堀りする記事に変えたりと、互いに議論しながら内容を詰めていきました。

これまでのICT関係は、なにかフィジカルな物体としてのモノがあり、それを説明することができていましたが、最近ではIoTやらウェアラブルといったもの、今回でいえばオープンガバメントとかオープンデータといった概念的なものが時代としても注目されるようになり、それをテキストだけで紹介することの限界もあります。だからこそ、グラフィックなどの手法は意味がある表現手法といえます。

自身が普段から研究しているものをもとに、それをテキストやコミュニケーションをもとにデザイナーに伝え、それをデザイナーが形にする。研究者とデザイナーとの協業を通じた新たな伝える方法の模索は、まだまだ試行錯誤してみたいところ。

また、辞典という中立的で内容が腐らないコンテンツをもとに、そこから時代に合ったものや読者に合わせて再編集しながら、書籍とウェブ、他媒体との連携によるコンテンツ制作という方法もまだまだやりようがあるし、メディア同士のこうしたコラボを通じたやり方もあるはず。

まだまだ『ICTことば辞典』とNewsPicksのコラボ企画はあと何回かあるので、そちらもお楽しみください。

あと、『ICTことば辞典』は書籍だけじゃなく電子書籍版も発売されました。KindleやiPadなどで楽しめます。内容も、紙の書籍ではできなかったオールカラーで、文字調整もできるリフロー型と電子書籍としても形も悪くありません。実は、辞典としての電子書籍はこの本ははじめてみたいなので、版元の三省堂としても色んな意味で挑戦した書籍になっています。

2015/08/24

本と温泉シリーズ


城崎と言えば志賀直哉。小説にまつわるグッズで街は溢れてたけど、お気に入りはこれ。本と温泉シリーズという、城崎でしか買えない限定書き下ろし小説。お風呂で読めるよう宿のタオルに包まれていて、しかも耐水、防水のストーンペーパーの紙を使ってるっていうこだわり。
第二弾は万城目学さんの「城崎裁判」。街の情景に触れながら、ある悩みを抱えた小説家を軸とした物語。城崎でゆっくり読めなかったので家のお風呂で入って読んでみるよね。
本としてのクオリティもそうだし、志賀直哉の「城の崎にて」に触れつつ、温泉街のさまざまな場所わわ物語にうまく忍ばせてる。おかげで、また城崎に行きたくなる内容になってる。

城崎国際アートセンターを訪れる


先日お邪魔した城崎国際アートセンター。建てられた経緯を館長の田口さんに伺い、文化や芸術を通じた社会的価値を信じる市長の本気を感じた。
また、レジデンスとしての機能も充実してて、これはたしかに世界からいろんなアーティストが集まるわけだ、と実感。
さらに、伺った日はちょうどチェルフィッチュの岡田利規さんが韓国との合作の新作をつくってて、そのクリエイションの途中までの舞台を見せてもらったけど、これがかなりの批評性のあるもので、これがどう収束させていくのか完成が楽しみなものだった。
城崎アートセンター、かなりいいところだったので、また行きたいです。

2015/07/25

東京都現代美術館、「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展へ


7月25日、午前中に東京都現代美術館へ。7月18日から始まった「おとなもこどもも考える ここはだれの場所?」展を見に行く。

展示では、ヨーガンレールの浜辺のゴミで作ったランプなど、人類が作り上げたものを通じてわたしたちの生活そのものをあり方を映し出す鏡のようなものだった。

岡崎乾二郎さんの「美術館はだれのもの?」は、美術の見方を通じて大人としての感性のあり方をある種の批評性をもたせた空間だった。

アルフレド&イザベルの展示は、家族や家といった居場所に対して自由な発想と想像力で考えさせるものだった。特に、子供たちに対するワークショップもいい。

会田一家は、空間と展示全体で個人としての可能性と社会との関係を考えさせるものだった。

特に、問題にもなってる檄文や日本の総理大臣と名乗る男の映像は、拙い英語で痛切に社会を批判しつつも、最後に話す日本語での言葉こそ、会田氏が表現したい一言だったのでは、と思う。グローバルや他者との競争ではなく自己を見つめ直そうと語るその内容は、いまという時代だからこそ考えさせられるものだ。全体としての作品の批評性は面白く、展示を見ずに問題だと映像を批評なり指摘をすべきものではない。

もっと言えば、アートという自由な想像性や社会への批評性をなくすことはあってはならない。それこそ、世の中のそれ自体が答えがないものであり、批判や対立があってこと社会の構造であって、なにかひとつの答え以外は排除される世界ほどつまらないものはない。

対立や矛盾を孕むその姿に対してきちんと向き合うことこそが求められる。

あと、個人的は企画展の「ここはだれの場所?」だけでなく、常設展の「戦後美術のクローズアップ」も展示内容のキレの良さと東京都現代美術館の収蔵されている作品の良さを感じさせるものだった。

とりあえず、まずはアートは自分の目で見て、感じて、自分の中で解釈なりを導き出すことが重要であり、人がどう言ったとかどう思ったとかではなく、内なる自分に素直になり、考えることが必要だ。





2015/06/28

植草甚一スクラップ・ブック展

昨日は、7月5日まで世田谷文学館でやってる「植草甚一クスラップ・ブック」展に赴く。
戦後サブカルチャーの礎を築いた文筆家が残した膨大な映画評のメモやニューヨーク時代に過ごした様子、日常の細やかな読書日記など、いままさにそこにJ.Jの息吹が聞こえるような展示に、一人の物書きとして尊敬の眼差しと大きな刺激を与えてもらった回顧展だった。
幻の古書店「三歩屋」を実現した空間は、その空間に入っただけで、ビビッときていまった。
同時に、昨日と今日の両日だけやってる「セタブンマーケット」では、J.J展に関連して雑貨や古本屋が並び、その書棚から掘り出し物を大量に買ってしまった。古本の出会いはいつも楽しい。
展示期間もあと少しだし、セタブンマーケットやってる今日までに行くべきだと思う。



2015/06/09

技術の進化の早いいまだからこそ、辞典を出すことに意味がある


6月17日に、三省堂から発売される『ICTことば辞典』の著者として上梓することとなりました。

色んなテクノロジーが誕生し、ネットやメディア上ではさまざまな言葉を通じて概念を説明する時代のなか、実は多くの人はその言葉の意味を正確に理解しないまま使っている、ということもしばしばあります。

時代の流れも早いなか、専門用語や略語が流布するなか、きちんとそうした言葉を学ぶ機会もないまま、曖昧に言葉を使うことが、結果として違った意味に解釈したまま使ってしまう、ということによって、さまざまなディスコミュニケーションが起きていると思います。そうした齟齬をなくし、現時点においての言葉の意味をきちんと表現しよう、というこれまで多くの時点を出版してきた三省堂ならではの考えと、挑戦的な内容になっていると思います。

今回の辞典は、2015年5月現在辞典での言葉であると同時に、この時代における言葉の意味として説明がされています。今回の辞典はいわゆるな辞典にとどまらず、概念的な説明、その言葉が生まれた時代や技術的な背景、社会的な要因、その概念が登場してきたことによる文化的な変化、法律的な課題など、ただの説明にとどまらず社会的な課題なども浮き彫りにしよう、という内容にもなっています。

著者3人がそれぞれのパートをだいたい3分の1で割り振って担当執筆をしています。著者それぞれの得意分野などをもとに担当の割り振りがされているのですが、僕の担当の多くは、社会性が高いもの、法律的な分野、政治的分野などが多く、「あーこのワードは江口が書いたな」というのがけっこう分かりやすいかな、と思います。他の著者が書いたパートも、ゲラの時点で楽しく読ませていただきました。また、本書を読むことで、意味を知るだけでなく、各分野におけるテクノロジーへの興味関心をもっていただければ著者の1人としても嬉しく思います。

また、読み物としても楽しく読めるものになっており、10名のそれぞれの分野で活躍する方々にコラムを寄稿していただいており、ICTと社会の関係を見つめなおす論考も載せております。

対象読者としても、中高生や大学生を中心にしていながら、若手の社会人にとっても勉強になるものであると同時に、なかなか普段ネット用語に接しない年配の方々にも最近の時代の流れや言葉を理解できるようなものになっていると思います。

そうした辞典的な要素をきちんといれるのは、さすが三省堂だな、と実感しています。

各地の図書館や中学校、高校などに配布されるのでは、と思っており、そうした若い人たちに少しでも多く手にとってもらいたいな、と思います。もちろん、大人なみなさんにもぜひ手にとっていただきながら、自分が普段使っている言葉や、メディアを通じて使われているさまざまな言葉の意味を確認してみると良いかもしれません。

今回、編集を担当していただいた長谷川さんには、著者としてお声をかけていただき、原稿に関しても叱咤激励をいただきながら執筆させていただきました。原稿を執筆していくなかで、私自身も改めてそれぞれの言葉の意味を再確認することができました。大変感謝しております。

ぜひ、発売されましたらみなさん手にとっていただけれると嬉しいです。

三省堂のサイトには、『ICTことば辞典』のはじめに、や、目次などがPDFで先読みできるみたいです。





2015/05/29

『WIRED』vol.16の編集、執筆を担当しました



5月11日発売の『WIRED』vol.16 。今回のテーマはお金の未来。通貨のあり方の本質やexchangeとは、について色々と考えさせられる内容になってます。 他、「インディスマホ」特集やシヴィックテックフォーラムのレポート、英国式イノヴェイションなど編集や執筆担当してます。




沙村広明さんの新刊『波よ聞いてくれ』



沙村広明さんの新刊『波よ聞いてくれ』。いままでのテイストからガラリと変えて、ラジオと恋愛がテーマ。ラジオがテーマなだけに、ところどころで挟む言葉の上手さが光る。
あと、舞台が北海道なせいか、ローカルな話題の入れ方も絶妙。
読んでると、無性にラジオが聴きたくなる作品。次巻が楽しみ。



2015/04/17

藤田一照さんのメールマガジン『仏道探究ラボ』のコラム「仏教とわたし」に寄稿しました

葉山で座禅の研究を行っている藤田一照さん。藤田さんは、著書『アップデートする仏教』などを書かれており、仏教のあり方を現代にあったあり方として見つめなおそうとしている方です。藤田さんが発行しているメールマガジン『仏道探究ラボ』があります。毎月二回発行されているメルマガでは、藤田さんが日々感じていることや発見などを書いたり、読者の質問に優しく答えたりしています。

メールマガジンのなかに、「仏教とわたし」という、さまざまな分野で活動している人たちが寄稿するコーナーがあります。そのコーナーに先日寄稿させていただきました。といっても、なにか大層なことを言っているわけではなく、自分が普段感じていることなどを、仏教の考えなどとも照らしあわせたエッセイのようなものかな、とおもいます。

他にも、藤田さんのメルマガは日々の気づきや仏教の考えを知る機会になるとおもいますので、興味が有る方は覗いてみてください。ゆっくり、深呼吸でもしながら読むのにぴったりなものではないでしょうか。


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■ 5.仏教とわたし
「仏教とわたし」と題して、様々な分野で活動中のゲストをお迎えし仏教との
関係性や、仏教に対する考え、思い等をお伺いしたいと思います。

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ゲスト:江口晋太朗さん
編集者/ジャーナリスト
NPO法人スタンバイ理事

仏教やお経の思い出といえば、お葬式のときにお坊さんが話すよく分からない
言葉、くらいだった。はじまりは母方の祖父が亡くなったときで、自分は2歳
かそこらくらいだったので祖父との思い出なんてものはなく、物心ついたとき
から仏壇に手をあわせて飾ってある遺影の顔を見るくらいだった。

祖父との思い出はなかったが、写真やらなんやらで祖父という人がいたという
痕跡だけはそこにあって、幼少期の自分にしてみればなにか不思議な気持ちに
なっていた。年が経ち、自分が中学生を卒業するくらいまで、父方の祖父や祖
母は元気に過ごしていて、自分自身も次第に身体も大きくなり、物事もわかっ
てきて、なんでも世の中が新しいものに見えてきたし、知識や経験も増えてき
た感覚を覚えてきて、世の中がずっとそういった状態が続くのかな、と思って
いた。なのだが、その頃から父方の祖父の体調が悪くなり、入退院を繰り返し
、じょじょに弱っていく様子を見ていくと、人はいつか「死」を迎えるもので
あるということの実感をすごく抱くようになってきた。その祖父も、僕が高2
のときに亡くなり、そこではじめて親しい人との別離を経験した。

人は必ず死を迎えるという免れることのできない事実を現実として体感してく
なかで、はじめて、自分がここに「居る」ということへの問いを立てはじめた。
事実、数年前までそこに「居た」人が、いまではそこに「居ない」。その現実
を受けとけ、しかもそれがさも当たり前のものだと思う自分がいる。それはつ
まり、自分自身がいまここに居ることすら、自分が死を迎えたときにどうなる
のか、自分が生きているとはなんなのか、自分の存在意義や存在証明がどこに
あるのか、といったある種の禅問答のような考えに陥ってしまった時期もあっ
た。

そんなことを救ったのは、ちょっとした他者から自分への感謝の言葉がきっか
けだった。自分が居たことによって誰かの何かの役に立ってもらったと思って
もらったり、誰かが少しでも幸せになれること、多く人が笑顔でいれる世の中
にするために自分ができることを行うことが自分の居場所なんだ、ということ
を気付かせてくれた。そんな思いを胸に、これまでさまざまな仕事をしてきた。

いまは、最先端の技術の研究や、技術と社会のあり方についての調査などを行
いながら、私たちの身近な生活をどのように豊かにできるものなのか、そのた
めの環境を作り上げ、社会の仕組みを次の時代に合ったものにするためのプロ
ジェクトを立ち上げたりしながら、日々を過ごしている。

技術の進化は日進月歩だ。しかし、ややもすると何か新しい技術やアイデアが
生まれると「◯◯が次の時代を作る!」や、「◯◯で、社会が変わる!」みた
いな言説が流布し、多くの人たちがそれに右往左往することがある。実はそれ
は、社会について考えているようでいて、実はそこにいる人間を考えることな
く、技術が社会を変えるものだと勘違いしがちになる。しかし、技術で社会が
良くなるわけではないはずだ。ときに技術は人に万能感を与えがちで、気がつ
いたら人が技術に振り回される、ということになりがちだ。

けれども、機械や技術は自分からは何も変わらないし、ただ機能としてそこに
あり続け、変化せずにいるだけだ。そこに意思を吹き込むのは、人間しかでき
ないものだ。だからこそ、人がどうあるか、人がどう振る舞うか、人がどのよ
うに考え、行動するのかを知ることこそが、社会を知る上で重要なものだと気
がついた。

現代は、さまざまな変化が激しい時代のなかにおいて、人は世の中に対して不
安になる。不安になると、何か確固としたものや絶対的な解を求めがちだが、
そんなものは世の中にはない。自分がいかにして世の中を生きようとするかが
大切になってくる。だからこそ、技術やテクノロジーを知ろうとすると同時に
、人のあり方を知ろうとすることへとつながってくるのかもしれない。

そうした思いで日々を過ごしているなかで、最近になって、仏教に関連した本
を自然と読むようになった。きっかけは正直言えばあまり覚えていないが、親
鸞について書かれたものや、かつての人たちがどのように仏教に接し、どう日
々の生活のなかで大切にしていたか、仏教をもとにどのように日々を過ごして
いたのか、ということに自然と興味がでてくるようになった。

自分が社会においてどうありたいのか。人を信じ、他者との中で生きている気
持ちと、それでも結局人は孤独であるという考え。人と人とが分かり合えない
部分と、分かり合うことができるのでは、という矛盾を抱えながら生きている
。そんな、人生や生き方について悩むたびに、仏教で描かれているさまざまな
ことがらを読みながら、もちろんそこに答えがあるわけでもないが、自分の考
えに納得したり、違った考えをそこから導き出したりさせてもらっている。

正直言えば、浄土なんてものは僕にはわからないし確証もない。けれども、昔
の人たちは自分の行為やその後について、考え、悩み、苦しんでいたなかで仏
教と出会い、そこなかで自分の居場所や自己について見つめなおそうとしてい
た。その姿や弱さを内包していることこそが、人間の姿であり、人はそこまで
強いものでもないし、合理的に動くものでもない。自身も同じような存在なん
だ、ということを気づかせてくれる。

やはりどこかで死の先のことがどうなっているのか考えることがあるが、考え
ることと同時に、死にたくない気持ちと、死ぬことをいつでも待っている自分
がいる。その根底には、人は年を重ね、死があるという事実を知った幼少期の
経験から、どこか死ぬことへの覚悟があるのかもしれない。

毎日、南無阿弥陀仏を唱えているわけではないが、ときおり座禅を組んだり、
写経に参加してみたりしている。その理由は、自己と向き合う時間を作ると同
時に、ときに、社会のなかで自分の居場所や自己の存在を見失っているような
気持ちを、抑え、今一度、自己の存在を客観視するような場として考えている
からだ。日々のさまざまな周囲の情報に振り回されればされるほど自分の足元
が不安定になり、自分がどこにいるのかが見えなくなってくる。だからこそ、
自分がここに「居る」ことを実感するためにも、書籍を通じて仏教の考えを読
み解き、自分自身のあり方を見直そうとするきっかけにしている自分がいる。

仏教は堅苦しいものでもなく、もっと自然にそこにあるもので、かつ、自分と
の対話を行うものなのかもしれない、と最近思っている。それは、公園をゆっ
くり散歩しながら、季節の変わる様子を感じ取りながら周囲にある自然を観察
し、小さな変化に気づいたりすることでもある。ついつい、人のつながりやネ
ット上の振る舞いなんかを気にしがちだけど、そういったものから解き放ち、
自分と向き合うことの大切さ、自分の感覚や感情に正直になり、ちょっとした
行為の変化を読み取れるようになることで、色々なしがらみや複雑な思考をリ
セットして自分の姿がより鮮明に見えるようになってくる。世の中のことを知
ること以上に、自分のことを知ること、自身に向けた解像度の高い視点をもつ
ことが、これからの時代を生きる何かヒントになるのかもしれない。

いまを生きるために、過去を振り返り、過去から学びながら未来を生きようと
する。その未来は、「いま」の積み重ねであり、「いま」をどう生きていくか
を懸命に考えること。そのためにも、自分がいまここに「居る」ことを感じさ
せることによって、前へと向くことができる。そのためのヒントを、仏教は教
えたり感じさせたりするものではないだろうか。
江口晋太朗
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2015/03/21

イベント登壇3月22日:HAKUHODO × Ars Electronica Future Catalysts PLATZ Vol.1~みんなのクエスチョンが描く、「まち」の未来~


博報堂とアルスエレクトロニカによる共同プロジェクト「Future Catalysts」。産業、行政、地域社会の未来をつくる人たちとの、新たな出会いと共創の機会を生み出していこうというこのプロジェクトで、「まち」をテーマに1dayイベントが開催されます。

「アルスエレクトロニカ」は、オーストリアのリンツで開催される芸術・先端技術・文化の祭典で、メディアアートに関する世界的なイベントであり、そのイベントを運営する先端テクノロジーとアートシンキングが未来社会に与えるインパクトと可能性を探求してきた、世界が注目する未来志向のクリエイティブ機関のことを指します。



今回、アルスエレクトロニカに向けてさまざまなプロジェクトを作るために、さまざま分野の人たちを集めて議論し、アイデアを創発するイベントが企画され、その参加ゲストの1人として参加させていただきます。

そんな彼らが開催するイベントがこちら。

すでに、WIREDマチノコトでも、イベントの様子が記事になっています。これらなども参考にしながら、「まち」について考えてみるといいかもしれません。

こちらの、B-Labのワークショップに参加します。こちらのワークショップ、実は博報堂とアルスエレクトロニカによるプロジェクトを本格的に行うためのアイデアワークショップとして、2015年1月にCreative Jamというイベントを行い、そこを踏まえて議論する場となっています。テーマは「Re;Balance」。人口減少などが叫ばれているなかで、東京も含めた都市のあり方や適正な人口、人の移動や多様な行動様式を生み出すための環境とはなにか、について議論し、アイデアを出します。

お時間のある方は、ぜひご参加いただければ。

Future Catalysts PLATZ Vol.1~みんなのクエスチョンが描く、「まち」の未来~

第1部 10:00 ~11:00
出演:ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ アーティスティック・ディレクター)

第2部 11:00 ~12:30
出演:ゲルフリート・ストッカー(アルスエレクトロニカ アーティスティック・ディレクター)、石綿祐子(公益財団法人東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京 室長・プログラムディレクター)、林千晶(ロフトワーク代表)、永井一史(HAKUHODO DESIGN)、鷲尾和彦(博報堂 / Future Catalysts)

Open Citizen Lab プレゼンテーション(及び懇親会)

「Open Citizen Lab」に集まった以下の5つのラボによるプレゼンテーション。

A-Lab Co-Creation City 新たなつながりが「まち」の価値をつくる
B-Lab Re-BALANCE 都市と地方の新しいつながり方
C-Lab Engagement Space in the City 新たな公共空間をデザインする
D-Lab Magical Dialogue with Kids. 子どもたちとの創造的な対話でつくる、未来のくらし、わたしたち
E-Lab Digital Communities by Prix Ars Electronica 世界視点で見る創造的コミュニティの方法論
プレゼンテーションの後は、イベント参加者をまじえた懇親会が開催されるそうです。街や都市の未来について、柔軟に発想する良い機会となりそうです。都市や街に関心のある人はもちろん、アートイベントやクリエイティブな活動に関心があるも足を運んでみてはいかがでしょうか?

イベントの概要
日時:
2015年3月22日(日)10:00〜21:00
会場:
虎ノ門エリア(2会場)
Good Morning Café & Grill (東京都港区西新橋2-16-6)
虎ノ門9森ビル (東京都港区愛宕1-2-2)
主催:
Future Catalysts -Hakuhodo × Ars Electronica-
協力:
オーストリア大使館/オーストリア文化フォーラム、森ビル
Webサイト:
http://future-catalysts.com

2015/03/20

イベント登壇:3月21日 豊橋青年会議所主催「ネット選挙と可能性」



3月21日(土)、豊橋青年会議所主催のイベントに登壇します。
テーマは「ネット選挙」。
前半は社会学者の西田さんの講演、後半は西田さんや食べる政治の増沢らとパネルディスカッション。僕は、このパネルのコーディネーターという立場。
4月に開催される統一地方選に向けて、各地の商工会議所でも選挙に関連したイベントが開催されてきそうです。
ネット選挙自体も解禁されてもうすぐ2年。ネットと政治の関係もそろそろアップデートしていくような動きをみせていきたいものです。

ウェブには情報があまり載っていないので、チラシのPDFを。









2015/03/13

イベント登壇:3月18日クラウドファンディングの拡大から、地域発イノベーションを考える

国際大学GLOCOMとグーグル社が共同で行っている、日本のいので促進を目的に政策提言や研究会などを企画しているInnovation Nipponプロジェクト。

私も、研究調査としてベンチャーの現状を調査し、レポートとしてまとめたり企画運営に関わったりしています。そんななか、日本におけるイノベーション促進の一つのキーワードとして捉えられている「クラウドファンディング」。アメリカでは2000年代後半からKickStarterなどのサービスなどが誕生し、新しいハードウェアやガジェット開発の資金調達やマーケティング活用、ソーシャルビジネスやソーシャルデザインなどのプロジェクトが共感や賛同を集めるプラットフォームとして機能しています。日本でも、2011年頃から誕生し、ちょうど東日本大震災の寄付や活動を支援するものとして使われたものから、近年では映画や音楽などのアーティストやクリエイターの活動の一環や、地域活性プロジェクトからものづくりの開発支援などさまざまプロジェクトが掲載され、流通総額も数億円以上、プロジェクト達成金額も数千万規模のものまで誕生するまでとなった。

企業としても、スタートアップにしても、PRや広報、マーケティングや集金などが行えるプラットフォームの価値として見出すことができます。そうしたクラウドファンディングが一般化してきたと同時に、日本でも2014年に法案が可決し、2015年5月施行で動き出しているクラウドファンディング法案は、株式型クラウドファンディングサービスが提供でき、未上場企業に対して投資を行うプラットフォームとできる。

クラウドファンディングという一つの概念をもとに、クラウドファンディングをどう企業や個人、スタートアップなどの事業戦略や活動の中で価値を見出すことができるか、さらにそれが地方の起業促進や新しいプロジェクト推進の手段としてどう位置づけることができるかなどさまざま議論や可能性を広げることができる。

そこで、クラウドファンディングを活用した事業者、実際にクラウドファンディングを運営するプラットフォーム事業者側などをお呼びし、クラウドファンディングの可能性について議論する場を企画させていただきました。私も、普段からクラウドファンディング事業者や利用者などに取材を重ねるなかで見えてきた可能性や今後の課題などについてお話できたらと思います。ぜひご興味のある方はご参加いただけると嬉しいです。参加申し込みはこちらから。


以下、イベント概要です。
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〈 Innovation Nippon トークセッション 開催のご案内 〉

■タイトル:クラウドファンディングの拡大から、地域発イノベーションを考える

■日時:2015年3月18日(水) 19:30~21:30

■会場:国際大学グローバル・コミュニケーション・センター
   (東京都港区六本木6-15-21 ハークス六本木ビル 2F)
    地図: http://www.glocom.ac.jp/access/

■主催: Innovation Nippon(国際大学GLOCOM×グーグル株式会社)
    http://innovation-nippon.jp

■後援:クラウドファンディング協会
    http://safe-crowdfunding.jp/

■概要
既に急成長途上にあるクラウドファンディングについて、更に大規模な資金調達の可能性を拡大する法改正が行われた。
米国のJOBS法を意識した金融商品取引法の改正で、日本でも株式型のクラウドファンディングが容易になった。本イベントではこれを機に、イノベーション
環境の一要素としてのクラウドファンディングの意味や役割を検討したい。
規模的拡大だけでなく、多様化も進んでいる。特定の地域や事業分野などに特化したプラットフォームも多く出てきている。
クラウドファンディング業界の動向を俯瞰することも簡単ではなくなりつつあるが、一方、ファンドを募り、提供する利用者や、それをとりまく関係者は、
特性や使い方、課題などを学んでいる最中でもある。この学びは、今後クラウドファンディングのポテンシャルをどれだけ大きく花開かせるかを
左右することにもなろう。クラウドファンディングはまた、当事者を超えた範囲の人々にも恩恵をもたらすポテンシャルを持っているだろう。
ネット上での資金調達活動が盛んになることで、イノベーターやその取り組み、それをとりまく支援者などが可視化されることにもなり、社会の学びを後押しする
効果も期待できる。
こうしたことを踏まえながら、本イベントでは、クラウドファンディングの現状と展望、特性などを論じ、特に地方発のイノベーションを効果的に後押しするための課題や工夫が何であるか、イノベーション環境としての意義がどのようなものであるかを検討する。

* Innovation Nipponは、国際大学グローバル・コミュニケーション・センター(GLOCOM)とグーグル株式会社が共同で2013年に立ち上げたプロジェクト。
情報通信技術(ICT)を通じた日本のイノベーション促進を目的として、シンポジウム開催、研究会からの政策提言などを行っている。


■参加費:無料

■登壇者(敬称略・五十音順)
 -江口晋太朗(ジャーナリスト)
 -大前和徳(日本クラウド証券(株)代表取締役)
 -甲斐祐樹((株)Cerevo広報・マーケティング・セールス)
 【モデレーター】渡辺智暁(国際大学GLOCOM主幹研究員・准教授)

■申込方法
下記URLのイベント案内よりお申込みください。
 http://www.glocom.ac.jp/events/855
※開催前までにリマインダメールをお送りします。
※ウェブからの申込みフォームが利用できない場合は電子メールにてお問い合わせください。




2015/02/20

雑誌『BRUTUS』 2015年3/1号にて、コーナーの一部を執筆しました



雑誌『BRUTUS』2015年3/1号(2月16日発売)にて、BRUTUS時事用語辞典というbook in bookのコーナーにて一部を執筆担当をしました。

さまざまな領域で活躍している人たちに2015年に話題となるキーワードをあげてもらい語ってもらったものをまとめたコーナー。政治、経済、テクノロジー、アート、建築などさまざまな視点ですが、もはや特定の出来事が一部の分野にだけに関係するということはなく、さまざまな領域にまたいだ出来事や最新のテクノロジー、物事の潮流、考え方などがあることを実感させられます。

また、今号は「次の人」特集ということで、さまざまな分野の若手や注目すべき人物がフォーカスされています。何人か知った顔も取材されてたりで、自分自身ももっと頑張らないと、と実感させられます。




2015/01/26

雑誌『TOmagazine』墨田区特集の「災害のこと。」の執筆を担当しました



毎号、東京の23区のひとつを特集するハイパーローカルメディアの『TOmagazine』。そのTOmagazineの 墨田区特集のなかの「災害のこと。」というコーナーを担当し、執筆しました。

墨田区は、1923年の関東大震災の爪あとが多く残る地域。震災後のバラックが立ち並び、その後の帝都復興事業における区画整理や幹線道路整備などがあまり行われなかったことによって、木造密集地域が多く残る地域でもあります。そのため、いまでは倒壊や延焼が起きやすく危険な街ランキングでも上位にある区でもあります。さらに、隅田川にも近く水害も多いなど、災害とともに暮らしてきた歴史があります。

しかし、そうした災害とともに暮らしてきた地域だからこそ、地域に深く根付く災害対策や災害に対する意識は東京都でも最も高く、災害対策の機能が盛り込まれた白髭団地や小中学校の避難訓練、地域コミュニティによる共助の精神、まちなかのいたるところにある用水路や貯水槽など、日本における災害対策が生活レベルで一般の人たちに浸透している様子は、注目すべきものがあります。

そんな、墨田と災害について、歴史的な視点や東京都による不燃化事業など、木造密集地域に対するアプローチ、墨田にある本所防災館に体当たりで経験してその様子を取材した内容など、さまざまな内容が盛り込まれています。

メインの特集も、河内音頭という錦糸町河内音頭は、下町のレイヴと呼ばれるほどの熱狂ぶり。盆踊りが墨田で根付いたかを歴史から掘り下げています。他にも、多国籍な人たちが生活する様子やものづくりの街・墨田の様子など、ローカルでディープな墨田を掘り起こしています。

以前ブログでTOmagazineを紹介し、ハイパーローカルなメディアの面白さを書いたのだが、まさにそれを体現する形に、号を増すごとにその濃さが増していっています。従来の観光ガイドやタウンガイドとは違う、歴史やカルチャーなど、さまざまな視点からまちを編集しているこの雑誌、「まち」という人の歴史と生活と人間模様が折り重なったものは、深く知れば知るほどもっと知りたくなり、誰かに話したくなることは間違いありません。






2015/01/19

自分が普段使う商売道具を手入れすることの大切さ

年末年始にできなかったことの一つが、キーボードの掃除。 メインPCで使ってるRealforceの土台から一つひとつキートップを外し、土台をきれいにして、キートップを洗濯。その後、取り出したキートップを一つづつ丁寧にはめ込んでいくんだけど、その過程は改めて自分が普段使ってるキーボードと、自分の指先に触れるキーと向き合う時間でもある。 「毎日打鍵してる自分は、果たしてキーにとって満足な打鍵をしてるのか」 自分が打ったキーは、それが電気に変換されて新しい何かを生み出していく。 自分が普段使うものだからこそ、時に

2015年になりましたが、年末年始にできなかったことの一つが、キーボードの掃除。文章を書くために毎日打鍵してるキーボードを時には手入れしておくことも重要なこと。

2014年の4月に購入し、メインPCで使ってるRealforce。一般的なキーボードと違い、土台からキーを一つひとつ外すことができ、キーの配置なども自由にカスタマイズすることができる。そのキーボードの土台から一つひとつキートップを外し、土台をきれいにして、キートップを洗濯。

キートップをはめ込んでいる途中の様子。


その後、取り出したキートップを一つづつ丁寧にはめ込んでいくんだけど、その過程は改めて自分が普段使ってるキーボードと、自分の指先に触れるキーと向き合う時間だと実感する。

「毎日打鍵してる自分は、果たしてキーにとって満足な打鍵をしてるのか」

自分が打ったキーは、それが電気に変換されて新しい何かを生み出していく。その生み出されたものが、誰かに何かを伝えたり、自分の普段の仕事に大きく影響を及ぼしているんだということを、改めてキーボードを向き合うことで感じることができる。

キーボードだけに限らず、自分が普段使うものだからこそ、きちんと手入れをして、じっくり道具と向き合うことはあらゆる仕事に就いている人にとって大切なこと。身体を資本にするアスリートや、商売道具として日々手入れをする大工さんらと同じように、それぞれ自分が仕事をするために必要なあらゆる道具をきちんと手入れすること、一つ一つを丁寧に愛用することを常に忘れずにいたいものです。


キートップをすべてはめ込み、完成した様子。手入れをしたせいか、打鍵のどこか軽く感じる。





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