2015/06/09
技術の進化の早いいまだからこそ、辞典を出すことに意味がある
6月17日に、三省堂から発売される『ICTことば辞典』の著者として上梓することとなりました。
色んなテクノロジーが誕生し、ネットやメディア上ではさまざまな言葉を通じて概念を説明する時代のなか、実は多くの人はその言葉の意味を正確に理解しないまま使っている、ということもしばしばあります。
時代の流れも早いなか、専門用語や略語が流布するなか、きちんとそうした言葉を学ぶ機会もないまま、曖昧に言葉を使うことが、結果として違った意味に解釈したまま使ってしまう、ということによって、さまざまなディスコミュニケーションが起きていると思います。そうした齟齬をなくし、現時点においての言葉の意味をきちんと表現しよう、というこれまで多くの時点を出版してきた三省堂ならではの考えと、挑戦的な内容になっていると思います。
今回の辞典は、2015年5月現在辞典での言葉であると同時に、この時代における言葉の意味として説明がされています。今回の辞典はいわゆるな辞典にとどまらず、概念的な説明、その言葉が生まれた時代や技術的な背景、社会的な要因、その概念が登場してきたことによる文化的な変化、法律的な課題など、ただの説明にとどまらず社会的な課題なども浮き彫りにしよう、という内容にもなっています。
著者3人がそれぞれのパートをだいたい3分の1で割り振って担当執筆をしています。著者それぞれの得意分野などをもとに担当の割り振りがされているのですが、僕の担当の多くは、社会性が高いもの、法律的な分野、政治的分野などが多く、「あーこのワードは江口が書いたな」というのがけっこう分かりやすいかな、と思います。他の著者が書いたパートも、ゲラの時点で楽しく読ませていただきました。また、本書を読むことで、意味を知るだけでなく、各分野におけるテクノロジーへの興味関心をもっていただければ著者の1人としても嬉しく思います。
また、読み物としても楽しく読めるものになっており、10名のそれぞれの分野で活躍する方々にコラムを寄稿していただいており、ICTと社会の関係を見つめなおす論考も載せております。
対象読者としても、中高生や大学生を中心にしていながら、若手の社会人にとっても勉強になるものであると同時に、なかなか普段ネット用語に接しない年配の方々にも最近の時代の流れや言葉を理解できるようなものになっていると思います。
そうした辞典的な要素をきちんといれるのは、さすが三省堂だな、と実感しています。
各地の図書館や中学校、高校などに配布されるのでは、と思っており、そうした若い人たちに少しでも多く手にとってもらいたいな、と思います。もちろん、大人なみなさんにもぜひ手にとっていただきながら、自分が普段使っている言葉や、メディアを通じて使われているさまざまな言葉の意味を確認してみると良いかもしれません。
今回、編集を担当していただいた長谷川さんには、著者としてお声をかけていただき、原稿に関しても叱咤激励をいただきながら執筆させていただきました。原稿を執筆していくなかで、私自身も改めてそれぞれの言葉の意味を再確認することができました。大変感謝しております。
ぜひ、発売されましたらみなさん手にとっていただけれると嬉しいです。
三省堂のサイトには、『ICTことば辞典』のはじめに、や、目次などがPDFで先読みできるみたいです。
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