2014/04/06
コーヒーで生まれる地域とのつながり:目黒にできたサードウェーブスタンドコーヒーショップのSwitch Coffee Tokyo
昨日は、代々木で「テクノロジーのファッションの未来について」といった企画について話し合う打ち合わせがありました。ネット環境の充実や3Dプリンタやスキャナの登場、さらにオープンデザインという考えをもとに、ファッションをどうアップデートできるのか、といったことを議論しながら、何か企画を作っていこうといったことを話し合っていました。
ファッションショーという形からのアップデート、ユーザーとのコミュニケーションのあり方1つとっても、リアル店舗以外にもウェブ上で見せることも可能になっています。そうした時のリアル店舗のあり方の再構築もまだまだ考える余地が多い分野かもしれません。かたやファストファッションという流れもある中で、オートクチュールで服を作ることが、おそらく限られた人だけじゃなくより広い人たちが可能になってくる中で、服をどのように着るか、何を着るか、その先にある自分自身の暮らしを見つめなおしたりするといったことを考える必要性があるかもしれません。
そんなことを話し合った後、自転車で家まで帰る途中に目黒川があるので川沿いを歩きながら帰っていた時、ちょうど家の裏側にあるスタンドコーヒーショップを発見。Switch Coffee Tokyoといういわゆるサードウェーブコーヒーのお店です。
SWITCH COFFEE TOKYO http://www.switchcoffeetokyo.com/
こんな目黒川から道に一本中に入った住宅街の真ん中にあるお店ってあったっけ?と思っていたら、2013年の10月にできたばかりのお店だそうで。Switch Coffee Tokyoのオーナーである大西正紘さんは、福岡にある有名なコーヒー店のハニー珈琲で修行した方。さらに、大西正紘さんはブレンズラテアート選手権2009で優勝したバリスタした人物。ということで、大西さんが入れるラテには期待して間違いのではないでしょうか。お店は、コーヒースタンド&豆売りが専業で、持ち帰りかその場でちょっと休憩してさくっと飲むのにピッタリの場所。住宅街の中にひっそりとあるけど人が集まりやすい雰囲気がありました。地域密着だけにあって、バリスタ教室なども定期的に開催したりしています。
最近、色々なところで独自色のあるコーヒーショップの登場と、それを紹介する動きがでてきました。「サードウェーブコーヒー」というのも、ハンドドリップで一杯ずつを丁寧に淹れていくスタイルで、地域密着型の店作りが特徴的。単一種の苗木から収穫した豆だけを使用する「シングルオリジン」と呼ばれるスタイルにこだわり、さらにお店が生産者とダイレクトトレードを行っています。こだわりの豆について、原産地のことなど、さまざまな知識を知っておくことで、より美味しいコーヒーを楽しめることは間違いありません。
しかし、それ以上に大切なのは、コーヒーを通じて得られる落ち着いた時間や友人とのおしゃべりや地域の人たちとのつながり、といったものは大切になってきます。アメリカのポートランドでは人間らしく生きるために食、飲、住、思考、作る、といったものに対して1つ1つ丁寧に作りこんだお店はたくさんあります。そのあたりは、メディアサーフの人たちが出版した『TRUE PORTLAND the unofficial guide for creative people 創造都市ポートランドガイド』に、ポートランドのお店をそれぞれの特徴を抑えた内容で紹介しています。ポートランドでは、スターバックスのような大手コーヒーショップではなく、地域の人たちが丹精込めて作った製品を愛し、地域への誇りや愛着(シビックプライド)をもっています。
ちょっとしたスタンドドリンクのお店を通じて、都市という空間の間にあるちょっとしたすき間や余白といった、ほっとする場所や地域に住む人たちが集えるコミュニティといった機能であることが大事になってきます。そうした意味で、「サードウェーブコーヒー」の本当の大切な部分は、コーヒーそのものよりも、コーヒーを通じて語らうアナログな体験に意味があるんだと思います。ネットやSNSでどこでも誰とでもつながったり情報があふれたりする今だからこそ、思いにふけったり何もない時間を過ごすために、一杯のコーヒーを片手にゆっくりしてみるのもいいかもしれません。
目黒の住宅街にできたSwitch Coffee Tokyo。家のすぐ近所のお店なので、毎日通いたくなります。
Subscribe to:
Post Comments (Atom)
No comments:
Post a Comment