2012/12/07

Googleがネット検閲反対を訴える特別サイト「Take Action」を公開ーインターネットについて今一度考える





Googleが、政府によるインターネットの検閲反対を訴える「Take Action」プロジェクトを公開した。

このプロジェクトは、12月に開かれる国連の機構である国際電気通信連合(ITU)において、インターネットを規制する動きを進めようとしている動きに対して、「自由で開かれたインターネット環境への支持を表明しましょう。」と、支持を訴えるものです。

自由で開かれた世界は、自由で開かれたインターネット環境によって実現します。インターネットの将来は政府だけで決めてよいものではありません。インターネットを利用する世界中の何十億もの人々の「声」を反映させる必要があります。

インターネットが、誰もがアクセスし、自由な表現がおこなえる空間であるとし、政府などに対して規制が入ることなく、インターネットを利用する世界中の何十億もの人々や、インターネットを構築、保守している専門家たちの意見を反映させる必要がある、と主張しています。

ITU で発言権を持つのは政府だけです。その中には、自由で開かれたインターネット環境を好ましく思っていない政府も存在します。 技術者、企業、そしてウェブを作りウェブを利用する人々には投票権はないのです。ITU は秘密主義でもあります。条約の協議や法案は機密扱いで非公開となっています。

とあるように、インターネットの規制が、非公開の場で秘密裏に決定されることに対して、NOを突きつけています。

また、特設ページ「 #freeandopen 」において賛同やコメントを呼びかけ、世界各地で賛同者が集まっており、その様子をサイトに公開しています。すでに、世界で300万人以上の賛同が集まっています。

このITUの動きが、ITU会議、インターネットの監視を強化する勧告を採択 - CNET Japan にあるように中国が提案した非公開の勧告を採択した、とあります。これによって、政府の介入やインターネット検閲が加速するのでは、という懸念がされています。

こうした動きは、電話やFAXの登場によっても、おこなわれた動きに似ています。もちろん、インターネットという存在や、その概念自体は誰しもが共有し、オープンでパブリックなものであるべきであり、個人の自由や人権、プライバシーの侵害をそこなってはいけない存在だと思います。

そうした意味において、インターネットという誰もがアクセスでき、誰もが情報を発信できる環境に対し規制を書けることに対しては、僕自身も賛成です。また、あらゆる人たちがアクセスし、小さな一歩から社会を変えていく力を特にここ数年の「アラブの春」や「Occupy」などを見るように、個々人や集団の主張や弱者に対する武器として機能しているという面もあります。

と同時に、「オープンで自由」という側面は、責任や義務を負うことにもなります。個人情報やデマや成りすましなど、犯罪の温床や間違った情報に対して、規制をかけれず、気がついたら取り返しのつかない問題に発展する可能性も秘めています。



インターネットというネットワークは、よく例えにもあげられるように、包丁と同じく、使いようによって課題を解決するためのツールと同時に、何かしたらに危害や損害を与えるものにもなりかねません。そのツールを使う僕らが、どう使いか、で使われ方が変わってくるのです。

もはや、インターネットは一般の人達にまで普及し、社会にとっても大きなインフラとして機能しています。そうした意味において、「表現の自由」「言論の自由」といった自由を所持したと同時に、それに相反する個々人の意識において自分が関わっている情報ややりとりにおける責任や義務が伴ってくる、ということも考えないといけません。検閲といった、個人の自由がそこなわれる規制に対しては反対だが、個人の意識やマインドにおいて、相互によい環境をつくっていこう、という文化が醸成されなければ、規制や検閲に対してのなにかしたらの対処の必要性はありうるのかもしれない。

だからこそ、規制かそうでないか、という二元論ではなく“僕らがインターネットとどう付き合って行きたいか”ということを考え、議論し、まわりの人たちと対話をしながら、考えていかなければいけないと思います。

また、同時に、Google やYahoo!日本では楽天やGREEやDeNAなど、インターネットのサービスに関わるすべての人たちや企業、また、インフラの構築しているようなサービスをおこなってる企業は、自分たちが社会に及ぼす影響や意義を考え、今後のあり方などについても、しっかりと考え、安直な判断をしないよう、お願いしたい。

誰しもが平和で豊かな社会を過ごせるよう、企業も僕ら自身も考えていかなければいけない。

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