2012/12/21

社会に対し新しい文化を作り出すGranma本村さんの挑戦−途上国の女性にナプキンを届けるソーシャルビジネス支援【Ready for?】


Granmaの本村さんが、クラウドファンディングのReady for?にて、プロジェクトを掲載しています。「小型生理用ナプキン製造機によってフィリピン農村部の女性にナプキンを届けます」ということをミッションに、BoPビジネスの支援をおこなうプロジェクトです。

そもそも、インドなどの国々では、ナプキンを使用するという文化がまだまだ根付いていません。10%程度というニュースもあるように、なかなか女性の生理用品に対して価値を見出し、製品を作り出すという意識が向いていない状況なのです。

そうした中、ムルガナンサン氏というインドの方が、男性でありながら女性のための安価なナプキン製造機を作り出そうと、何年もかけて試行錯誤しながら機械を製造することに挑戦しているのです。(製造などのストーリーはReady for?に記載。

そもそも、女性に対してナプキンが困っているのでしたらナプキンを直接提供すればいい、という発想もあるかもしれません。しかし、それでは、製品を買ってお終いであり、その後のスケールがまったくしません。そうではなく、ナプキン製造機を作り出し、安く丈夫な製品を作り出し市場に提供すると同時に、製造機を作り出しそこに雇用を生み出し、それに携わる女性がナプキンに対して意識を向け、そして自分たちも使うことでさらに利用者が広がっていき、そこから文化が形成される、という動きなのです。

これはまさに、資本主義による市場原理をうまく利用して、問題解決を図るソーシャルビジネスであり、途上国の人ちちのアイディアと行動力、そして製造機を発明し作り出そうという発明と行動力こそまさにBoPビジネスでもあり、そこから新しい社会的な文化が形成されることこそ、グラスルーツイノベーションなのだと言えます。

こうした、社会的な問題を、ビジネスとアイディアによって行動し、そして発展させていき、イノベーションを生み出すというアクションこそ、いまの社会にとって必要とされているものなのです。こうした一つ一つのアクションから、世界は変わっていき、そしてこれらに対して僕らが意識を向け、少しでもいいから僕らが物を買ったり使ったりといった経済的な行為をおこなうときにこそ、意義のある価値交換をおこなう人たちに経済がまわる仕組みをつくっていかなければいけないのです。

社会的なインパクトやイノベーションを生み出すには、いまの資本主義的な社会においてはお金は必要不可欠です。なにもお金を重要視するというわけではないが、お金という価値交換がおこなえる媒介を使い、意味のある価値交換をおこなうためには、製品のバックボーンや歴史、物語を知る必要があります。同じ500円でも、どんなものにその500円を使ったかで、500円という価値では計れない違った価値が生み出される可能性があるのです。自分が価値交換をしたその500円がどのように経済の市場として流れ、そしてまた自分や社会に還元されるか。そうした市場と僕たちとの間に流れるものをどこまで想像できるか、ということこそ大事なのだと思います。

いま現在、このプロジェクトは12月27日23時までクラウドファンディングで資金を調達しています。こうした活動に対して価値交換をおこなうことが、自分と社会とを結びつけ、そしてまわりまわって自分にも返ってくる、ということを感じる一つのきっかけになれるのかもしれません。



本村さんとは、本村さんが運営しているGranmaが開催している「世界を変えるデザイン展」などを通じて時折お話をさせていただいています。9月におこなった「VISINARY PITCH」でも、このムルガナンサン氏のナプキン製造機のことについてお話してもらいました。企業やおこすイノベーションは、新しいベンチャーを通じて起こることがしばしあります。こうした社会と自分たちとの接点を生み出し、社会全体の価値交換の中において意義のある活動をしている人たちに対し、なにかアクションを促進できる支援ができればと日々考えています。

僕らの一つ一つの日々の行動をどうしていくか。こうしたプロジェクトからも、考えることができると思います。ぜひみなさん、応援してください。




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