2012/12/11

10代も投票しようーTeens Opinionで投票体験を、そして自分たちで社会をつくる意識をもとう #teensopinion




「10代だって投票に参加しよう」。

日本の法律においては、20歳を超えた成人のみが、選挙権が与えられます。1月の成人式で「君たちには投票権が与えられます」という訓示を受けても、おそらくいまの日本の若い人たちにしてみれば急に投票権をもらっても、という思いを抱くような社会になっているように思われます。

しかし、20歳になった瞬間から政治や選挙に興味をもて、というのはなかなか難しい話。そうではなく、投票するという体験や、政治や選挙になにかした興味をもつ仕掛けや、行動を促すデザインアイデアが、これからもっと大切になってくると思います。One Voice Campaignでも取り組んでいる「ネット選挙運動の解禁」は、まさに、こうした日頃の意識を向けるために、政治の世界とインターネットなどのツールを使い、時代に応じた新しい形の政治参加の仕組みをデザインし直す一つのきっかけとしての活動だと考えています。

そうした中、今回の衆議院選挙の投票がまっただ中ないま、友人であり高校生にして会社を起業した吉田拓巳くんが、10代のための模擬投票サイト「Teens Opinion」をリリースしました。模擬投票といえば、これまでに、高校などの学校教育の現場で政治について学び、実際に投票をしてみるというワークショップをおこなう未成年”模擬”選挙や、前回の衆議院選挙においてTwitterのアカウントを使って模擬選挙をおこなったGood Net Votingなどの試みがなされてきました。




今回のTeens Opinionは、Facebookのアカウントを使ってログインし、ログインすると意見などの書き込みができるページ、そして投票機能がおこなえるサイトです。特徴的なのは、Facebookというほぼ実名で運用されているようなサイトであることの、実際の選挙に類似していること、また、生年月日などから照合し、20歳以下でないと投票できない(なので、投票したい人は、ぜひ現実の投票所に足を運びましょう)という、ウェブならではの現実との相補関係をつくり、10代の人たちに投票体験をするきっかけを提供しています。もちろん、20代の人たちは書き込みなどをして、参加している人たちとインタラクティブに交流することができます。また、サイトオープンにさきだし、様々な分野の著名人から一言コメントをいただいており、僕もコメントをさせていただきました。




こうして、ネットでの選挙活動ができないいまでも、投票を呼びかけようと試行錯誤を試みるサイトや、USTなどを通じ、多くの人たちと対話を通じ選挙の投票率を上げ、自分たちでこれからの民主主義をつくろうと活動する「せんきょCAMP」など、様々なサイトが立ち上がってきました。One Voice Campaignを作ったきっかけも、こうした、ネット選挙運動の解禁のみならず、政治のネットの利用による新しい社会の参画のあり方を示す一つのきっかけをつくり、まさに、No VoiceからOne Voiceへと、僕らが自分たち自身で社会や自分たちの生活について考え、そして行動し、声をあげ、思いを共有した様々な人たちと一緒につくりあげていくような世の中になっていけたらと考えています。そのために、自分になにができるか、面白いアイディアがあれば仲間と共有し、そこから小さくてもいいからなにかアクションをとっていくことで、社会は変わっていくと思います。

ネット選挙が解禁したところで、すべてが変わるとは僕も思っていません。しかし、何かがかわるきっかけにはなると思います。いまの政治の世界にとって、あまりに現状の仕組みは私たちが日頃考えているような仕組みと乖離しています。そうではなく、政治のあり方をアップデートし、いまの時代に政治や社会がどうあるべきか、今一度みんなで考えるための一つに、インターネットがあるのです。そこをきっかけに、僕らがどういった社会をしていきたいか。改めて考えないといけないのです。


誰かが社会をつくるのではなく、僕たちで社会をつくっていく、という思いをもち、多様な考えの人たちと対話を重ねながら社会をつくっていく、これから新しいあり方を担っていければと思います。

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