2012/11/29

いつでもどこでも綺麗な画像を持ち歩こうー500pxにiPhoneアプリが追加


世界中の様々な風景や人物を撮影するPhotographer。その、Photographerの鮮明な写真が多く投稿されている写真共有サイトに、「500 px」があります。

500px を眺めるだけで、ココロが癒されます。例えばこんな風にです。

世界のトップクラスのPhotographerの技術やその美しい写真を見ながら、世界のあらゆる様子を感じ、そして、想像力やクリエティブは思考を高めるのに最適です。

そんな500 pxに、ついにiPhoneアプリが登場したという連絡がきたので、テンションがかなり上りました。


ぜひ、iTunesからダウンロードすることをおすすめします。ちなみに、無料でダウンロードできます。こちらからどうぞ。

2012/11/26

12月14日「あしたのコミュニティーラボ」にて、働き方に関するテーマのイベントに出演します


これからの「働き方」ということについて、色々なところで議論されるようになってきました。それはなにも、個人とかフリーランスの問題だけでなく、企業においても、企業内における社会のイノベーションや、社内におけるリソースの見直しや、新規事業立ち上げにおける社外のプレイヤーとの交流やコミュニケーション、プロジェクトにおける運用やマネジメントなど、分野やジャンルや業界を横断するような動きが起きてきました。

その中で、それぞれのプレイヤーに応じて、環境やツールや考え方、日々の過ごし方などが、これまでとは違ったあり方が時に問われるようになってきました。それに応じて、インターネットの一般的な普及や、TwitterやFacebookなどのSNS,ChatworkやサイボウズLiveなどのコラボレーションワークツールなど、様々なタスクツールなどを用いて、いつでもどこでも仕事ができたり、世界の情報を一瞬で調べることができる環境になってきました。

そうした中で、これからの社会がどうあるか、そして、その社会で生きる自分たちがどのようにして生活し、日々を過ごし、働いていくか、ということを、これまで以上に考えなければいけないのではと思います。

そうしたことを考え、日々連載や記事や企画などを仕事にしている中で、今回、12月14日におこなわれる「明日のコミュニティーラボ」のイベントにゲストとして登壇させていただくことになりました。働き方研究家の西村佳哲さんや、コクヨのWORKSIGHT編集長をされている斎藤敦子さんなど、日頃から企業や個人として「働くとは」ということをお考えになっているお二人と登壇するということで、20代としてのいまの生き方や、僕なりにこれまで過ごしてきた中で感じるこれからの「働き方」などについて、参加者とインタラクティブにやりとりができればと思います。

ぜひ、興味のある方はご参加ください。
ーーー以下、概要です。ーーー

あなたにとっての理想の働き方とは?
12月14日(金)、「あしたのコミュニティーラボ」では、働き方研究家の西村佳哲さんをモデレーターに、コクヨ株式会社でワークプレイスの研究を続けてきた齋藤敦子さん、協働・共創を生むコワーキングも含めたこれからの働き方・生き方を追い続けながら、自ら日々実践も行っている編集者の江口晋太朗さんをお招きし、「働く」をテーマとするワークショップを開催いたします。タイトルは、「理想の働き方のために。コミュニケーションから〈シゴト〉を考える」。ご自身の働き方を問い直したい方、組織やチームのあり方を見つめたい方必見の内容です。ゲストの方々のお話から、ぜひみなさんそれぞれの理想の働き方を一緒に考えてみましょう。

会場は、東京都渋谷区の道玄坂上に位置する「OpenCU(http://www.opencu.com)」。参加費は無料です。
下記リンクよりご応募いただけますので、たくさんのご参加をお待ちしております。

【タイトル】
理想の働き方のために。
コミュニケーションから「シゴト」を考える。
【出演者】
西村佳哲(働き方研究家/モデレーター)
齋藤敦子(コクヨRDIセンター主幹研究員、WORKSIGHT LAB所長)
江口晋太朗(編集者、TOKYO beta projectメンバー)

【日時】
12月14日(金)
19:00~22:00(開場18:30)
※終了後、出演者の方々と直接お話ができる懇親会(無料)も予定しています。
【開催場所】
OpenCU(東京都渋谷区道玄坂1-22-7 道玄坂ピア)
(http://www.opencu.com)
(アクセス:http://www.loftwork.jp/profile/access.aspx
【受付場所】
上記ビル10F(株式会社ロフトワーク内)
※応募時のお名前を受付担当にお伝えください。
【定員】
50名
【参加費】
無料
【応募締切】
定員をもって終了
【運営事務局】
あしたのコミュニティーラボ
【お問い合わせ先】
イベント応募ページよりお問い合わせください。
http://everevo.com/event/2917
【事務局運営時間】
平日11:00~18:00
※土日祝日にいただいたお問い合わせは、翌営業日に回答いたします。
【注意事項】
・内容は予告なく変更となる場合があります。あらかじめご了承ください。
・個人情報の取り扱いについては、「everevo(イベレボ)」のプライバシーポリシーをご参照ください。
http://everevo.com/static/privacy

【関連書籍】

この冊子に、記事を寄稿させていただきました。コワーキング含めた、企業や個人を含むこれからの働き方について書かせていただきました。

2012/11/23

12月16日は衆議院選と都知事選のダブル選挙−こういうときだからこそ、若い人の投票が大きな動きになる




12月16日。この日は、先日解散がおこなわれた衆議院選挙の投票日。と、同時に、都知事選の投票日でもある。つまり、都民にとってはダブル選挙なんです。

がしかし、新聞やテレビなどは、政策ではなく政局の動向を中心とした報道や記事が多く、実際の政策の議論にまでなかなかいけていない。衆議院選も党が乱立し、また、かつての“郵政解散”や“政権交代”などのようなキャッチーなものもなく、逆に言えば、政策の争点も原発や増税、社会保障などなどバラバラになっている。

もちろん、争点がバラバラということは各政党もどこがキャスティングボードを握るかも分からない。仮に第一党の議席をもっている党であっても、それが過半数出ない限り、第三党や下手すると第五党の数人規模の政党が議席の鍵を握ることがあるかもしれない。なにがおこるかわからない衆議院選になるかもしれない。もちろん、それらも含めて、One Voice Campaginでは、インターネット選挙運動の解禁も含めた、『インターネットと「これからの新しい政治」の実現に向けて』ということで、11月29日にイベントをおこないます。地道な活動ながら、こっちは、日本の政治を次の時代に対するアップデートをおこない、一人ひとりの社会参加を促すために活動していければと思います。

こうした、インターネットのさらなる利用における新しい政治の形の模索は、なにも国政だけでなく、地方の議会運営にも関わってくる。そうした上で、今回の都知事選は、ある意味で衆議院選よりも別な意味で大きな意味をもつかもしれないと、思います。

4代13年間東京都知事を務めていた石原慎太郎氏が突然の辞任により、日本維新の会として衆議院選に出馬を決意。それにより、都知事選は石原氏不在によって大きく注目を浴びるようになった!…という矢先に衆議院選の解散。それのせいで、本来だと日本の地方における、しかも日本の首都である東京の都知事選があまり報道されなくなった。

しかし本来だと、首都の東京の代表ということは、世界的な視野でみても大きな存在であるということを改めて考えないといけない。僕らが、NY州のブルームバーグ市長などの名前をよく目にするように、一地方知事ではなく日本の首都の代表はつまり、世界における日本という国の首都の代表である、という認識なのだ。それくらい都知事というのは、注目を浴びる存在なのだ。

また、東京は国から地方交付税交付金も補助金ももらっていない存在であり、対等に国の政策や方針とは違った政策が打ち出せることもできる。そうして意味で、外からの視点だけでなく、内からも、政策に対する自由度が他の地方の都市よりもある。

東京都に住んでいる人にとっては、“国政”という大きな枠だとなかなか日頃の生活に対する実感がわきずらいかもしれない。しかし、都知事や市議などは、実際に自分の住んでいる街や県や都の問題に対し、ダイレクトに直結している問題解決を図ることができる。もっといえば、国政というのは、国としての大きな方向性を示す存在であり、個別の事象などは、結局のところは地方の議員や議会に委ねられるということだ。道路や建設物、施策や税金問題、企業誘致や地元の企業に対する補助や支援などは、その住んでいる地域の議会や知事が大きく関わっているのだ。



そうした意味で、今回の東京都知事選は東京都に住んでいる人にとって注目すべきものだと思う。また、衆議院選もそうだけど、争点や大きな対立構造が見えにくい選挙においては、人口比率が少ない若者の行動によって様々な影響をもつことができる。投票に行かないと考えられている若い人たちが一人でも多く投票に行き、またSNSやブログ、HPなどで、「こうした問題に対し関心がある」ということや、投票に行ったということを発信することでその問題に対し議員や注目をせざるをえない状況ができることが大いにあるのだ。なぜなら、誰がキャスティングボードをとるかわからない状況だから。

だからこそ、こうしたどういう結果になるかわかりづらい状況こそ、自分たちの意見が通るチャンスなのだと考え、ぜひ、投票や選挙に対し少しでも意識を向けてもらいたい。投票に行く事、選挙に立候補している候補者のことを調べてみること、候補者に自分が疑問に思っていることを電話やメールで問い合わせてみること、嫌や友人と選挙についてちょっと話してみるなど、どんなこともアクションにつながる。ぜひなにか少しでもいい。

そこで、11月28日には今回の都知事選における「公開討論会」(参加申し込みはこちら)がおこなわれる。選挙期間以外で、都知事選候補者が全員揃い、政策について議論し、東京都の今後について話す場だ。こうした場に、若い人がたくさんいる、という状況を見ることができれば、候補者や周りの人達も若い人たちの動きに意識をさらに向けることになる。ぜひ、こうしたイベントなどに足を運んでもらいたい。実際に自分の目や耳で議員と話してみたり、選挙の雰囲気を味わうことで、少しでも政治や身近に感じることができるかもしれない。

また、この都知事選の公開討論会には、ivoteやOne Voice Campaignでも一緒に活動をしている友人の原田謙介が立ち上げたYouth Createが運営にも関わっている。政治と市民をもっと身近に、という意識でずっと活動をしている友人である。ぜひこうした活動を応援していきたいと思っている。

以下、公開討論会の概要を書いておきます。興味のある方はぜひ、参加してみてはいかがでしょうか。

【公開討論会概要】
<東京都知事選挙、主要立候補予定者を招き、都政について徹底討論!!>
約12兆円という国家予算に匹敵する東京都の予算。
人口1321万人(内20代は157万人)、都の職員数は17万人という大都市東京。
この東京都の新しいリーダーが12月16日に誕生します。

そのリーダーを選ぶのは私たちの一票です。
各立候補予定者の政策・考え・一挙手一投足を直接確かめてみませんか?
政治に無関心なままでは何も変わりません。多くの皆様のご来場をお待ちしております!

■目的
政治が抱える問題点や課題の鮮明化
有権者がその政策や根本方針を見極める機会の提供
各政党が政策や理念を有権者に訴え共感を得る機会の提供

■主催
NPO YouthCreate(ユースクリエイト)
日本政治報道株式会社

■実施日時
2012年11月28日(水) 19:00〜21:00(予定)

■開催場所
日本青年館 中ホール
東京都新宿区霞ヶ丘7番1号 アクセス
JR総武線 千駄ヶ谷駅、信濃町駅より徒歩9分
東京メトロ銀座線 外苑前駅(3番出口)より徒歩7分
都営地下鉄大江戸線(A2出口)より徒歩7分

立候補予定者(50音順)
猪瀬 直樹
宇都宮 健児
松沢 成文

観覧参加申し込みはこちら

参考書籍





2012/11/11

銀河ライター河尻亨一さんのキュレーターLABからみる、これからの編集者に必要なもの

よく、今という時代は、「情報過多な時代」と言われることがあります。

そうした中、情報を選別し、独自の切り口や意味をもたせるキュレーターやキュレーションという言葉が、ここ最近話題になっています。もちろん、キュレーターやキュレーションの元々の意味でもあるアート・芸術の世界としての意味と、2012年という時代に話題になっている「キュレーター・キュレーション」は、違うかもしれないし同じかもしれない。色んなところに行くたびに、そうした議論が起きます。かくいう自分も、色々なところで、その言葉の定義や意味について、考える機会も多くありました。

もちろん、言葉の定義や意味などは、時代や背景、そのときの情勢などによって変化していくことも多いと思います。なまじっか一つの言葉の定義として定め、かたくなに固辞するべきものでもないと思います。しかし、それでも、先人が築きあげていきた歴史や経緯、言葉がもつ重さなどを踏まえつつ、考えていかないといけないものだと考えます。が、まだ、僕自身も明確なものが言えるとは思っていないので、日々考えていきたいと思います。

そんなときに、元「広告批評」編集長であった河尻亨一さんと出会い、河尻さんが主催する『銀河ライター発「働くキュレーターLAB」―企画して、取材して、書いて、広めて解決する―』という講座が、博報堂ケトルの嶋浩一郎さんと、ブックディレクターの内沼晋太郎さんが中心となって立ち上げた書店B&Bで、9月からおこなわれていました。その講座も、先日の第10回目の講座で一旦終了でした。

そして、その講座の第三回ゲストとして、不肖ながら、私と、同世代でメディアプロデューサー集団KAI-YOUを運営している武田俊さんと一緒に、登壇させていただくことがありました。実際に登壇したのは9月16日と少し前のことだったのですが、講座に参加させてからいままで見させていただき、ただの講座ではなく、実践を踏まえながら体験していく中身であることに、個人的にも関心と感動をおぼえ、自分なりに考察しつつ、河尻さんとそれからも何度かお話させていただく中で感じたことも、少し綴ってみたいと思います。


今の時代に必要な編集的視点と発想

そもそも、「働くキュレーターLAB」の目的とはについて、僕なりの解釈で書いてみたいと思います。

これまで、編集という行為自体は、なにがしかのテーマに沿ったメッセージや記事やコンテンツを設定し、様々な材料を“集め”、テーマに沿うように“編む”ことを、編集と呼んでいました。その多くは大手放送局や出版社、映画など、さまざまな分野、しかも、一般の人達に対して、一定の水準とクオリティーを様々な人たちと協働でつくりあげ、発信・出版・放送するような分野や業種に多く存在していたと考えられます。

そして、いまの2012年という時代。インターネットも普及し、ブログやホームページが、そこそこに簡単なものであれば誰でもつくることが可能な環境になってきました。そして、mixiやTwitter,FacebookなどのSNSの発展は、これまで情報を受信ばかりしていたものが、あらゆる情報を自分たちが発信できる時代(そして、発信しているという自覚なしに発信しているという時代)になっていると、考えられています。

そうした中で、これからの情報の価値やコンテンツの価値、そして、なにかを企画し、コンセプトをつくり、発信し、活動していくということが簡単になっているからこそ、しっかりと学び、考え、経験し、実践していかないといけないものだと感じることも多くなりました。なにかを発信すれば誰がが反応してくれたりと、自己承認という欲求と、即時的な反応による満足は、ときに人やモノやコンテンツとしての質すらも変化する可能性ももっています。「誰でも時代」ということは、「総アマチュア」な時代にもなりかねない。それは結局のところ、全体としてのクオリティーが低下し、結果として将来や未来にとって価値のないものばかりが流布してしまうことになります。

そうではなく、プロである編集者であるために、いまの時代を読み、いまの時代の少し先を行きつつ、考えを練り、そして社会にとって意義のある行動をしていかないといけない。そのために、いまの時代がどうあるか、そして、これからの時代をどう読みとり、そして考えていくか。編集者としてどう生きているか、ということについて議論し、考える場が必要なのだと感じます。そうした考えのもとに、実際に現場で活動されている人などの話を聞きつつ、話を踏まえた上で、課題や企画を考え、実践していための“場”として、キュレーターLABはあるのだと思います。

ラボで話をしたこと


そんな中、僕と武田くんはその第三回のラボのゲストとして呼んでいただきました。元々河尻さんとは、2011年におこなわれた同志社の裏EVEというイベントでご一緒し、そこで初対面だったにも関わらず、河尻さん、そして津田大介さん、関西ウォーカー編集長の玉置さんらと僕という並びの中、20代の編集者として切り込んで話をさせてもらったことがきっかけでした。その出会い以降、いろんな所でちょくちょくお会いしお話させていただく中で、僕らの登壇時のテーマである「ネタは“ソーシャル”に落ちてる―SNS×街場連動企画とは?―」ということで、話をしてもらえないかというご提案をいただきました。

打ち合わせでは、河尻さんが僕らに考えていることを踏まえつつ、僕と武田くんそれぞれが見ている世界、見ている未来についてざっくばらんに話をしました。色んな話が飛んではいたのですが、そもそもとして、僕と武田くんは、見ている世界が似つつも、互いに違った手法論で取り組んでいるような感覚で、武田くんの表現曰く「背中合わせで似てる風景を見ている」という感じでした。(そのあたりの、僕と武田くんの話は、また別途書こうかなとも思います)ちなみに、浴衣で参加しているのは意味があるのですが、それは講義参加者か僕に直接聞いてください。

で、事前の打ち合わせ後の本番でも、それぞれの立ち位置や今に至るまでの考え、そして、どういった編集的な手法と発想をおこなっているかについて話をさせていただきました。河尻さん含めた3人ともが、しゃべりだしたら止まらないような性格のようで、ラボの90分間ひたすらしゃべりっぱなりだった気がします。僕らが考えていること、見ていること、そして、これからどういう風に進めていくか、ということについて、なにか感じてもらえたらと思っています。

ちなみに、ラボの様子は、受講生の一人である清水さんのイラストブログにまとまっています。感謝です!

いろんなお話をさせていただいたのですが、僕として言いたかったのは、“いま”を見るんじゃなく“未来”を見て行動してほしい、ということかなと思います。とかくいまを見がちで、目の前の小さな変化や差異にばかり気を取られてしまいそうですが、そうではなく、3歩先な未来を見据え、そして、その中で0.5歩先、1歩先なものとして実現可能なもの、もしくは、チャレンジしがいのあるもの、もしくはこういう流れ、こういうことがあるともっといいのではないか、ということを考えながら、日々アンテナを張りつつ行動し、そして、ちょっと考えてみて、それらをまわりと共有したり、自分なりにアウトプットをしてみたりすることが大事なんじゃないかな、と思っています。

何かを追うよりも何かを作る感覚をもつということは、まだ見ぬ未来だけれども確実にある未来であると信じ、それに向かって自分がいまなにをしていけばいいかを考えることなのかなと思います。ラボの中でも話をしたと思いますが、自分自身を客観的に俯瞰して見、“自分”という存在がこれからどう歩み、どういう行動をとると社会やまわりにとって意味のあるアクションなのか、ということを考えることだと思います。決して自分自身の満足や考えではなく、まわりの存在としても、意味があるか、そして、自分でしかできないことはなにかということを日々考えていくことだと思います。人は一人では生きていけないからこそ、他者といかに協働し、社会が生きやすいものにすることが、結果として自分に返ってくるものだと想像できるか。そこが大事だと思います。

というようなことを、ラボでは話をさせていただきました。編集とかキュレーターということもそうですが、それらすらなにかを達成するための手段であり、その先にある大きな目的をどう据えるかということが大事だと思い、そんな話をしたと思います。手法やテクニックよりも、自分自身がもつ夢や野望や将来像や、これからの世の中をどう見ているか、そしてどう見ていくかということがあれば、いまやっている行為はそこまで問題でないと思います。逆に、いま自分がやっている行為が未来にとってどうつながっているかを想像できれば、どんな仕事も楽しく思えると思います。だからこそ、ラボでは手法的な話よりも、考えや意識をどうもつか、ということを話させてもらいました。


(ラボの様子の写真)


コンテンツではなく、コンテキストをどう作るか

このラボ自体も、おそらく手法やテクニックを教える場にはしてはないと、河尻さんも話をしていました。そうではなく、活動している人たちがなにを考え、どう行動し、どうアウトプットし、どう自分の身にしているのかということを感じさせることを大切にしていると思います。そして、毎度毎度受講生には課題と称し、様々なテーマが課されていました。おそらく、受講生の人たちは毎回大変だったと思います。でもそうした課題も、考えや思考を訓練させる素晴らしい取り組みだあると同時に、数十名いる受講生それぞれが多様な考えや経験、思考をもちいままで生きているんだ、ということを感じさせられます。人によって得意不得意のあるもの、特異なジャンルや苦手なジャンル、デザインが出来る人、発想が斬新な人、文章が上手な人、様々ないます。そしてそれらすべてが、誰が素晴らしいとか、どれがいいということでもなく、自分自身の頭で考え、自分なりのアウトプットをしっかりとし、ラボのメンバーと議論したり語り合ったりすることが大事なんだと、ゲストが呼んでいただいたあともラボに関わった身として感じます。そして、その中にある、河尻さんの受講生らに対する愛情と思いは、何事にも代えがたいものです。

毎回講座が終わるたびに、懇親会などの交流があり、元々の講座以外にも、補講として様々なゲストを呼んで話をしてもらったり、休日にはメンバー同士で読書会や芋煮会などを企画したり、そこから、色々なものが派生したりラボを中心としてコミュニティができているのは、なにものにも代えがたいものだと思います。そして、そこをきっかけに新しい出会いやつながりが生まれたり、自分たちで実践したり、なにかを企画したりという“見えないアウトプット”こそが、ラボの目的でもあるのだと思います。

とかく編集などの仕事に携わっている人は、もちろん自分でコンセプトをつくったり企画をしたり文章を綴ったりという仕事をしていますが、どんな仕事も絶対に一人では成し得ないものばかりです。編集という仕事に携わる以上、他者と協働し、そこから新しい価値や新しいコンテンツ、新しい発想などを生み出し、それらを形にし、しっかりとしたアウトプットをつくっていく。それこそが、編集の仕事であると思います。そして、自分なりの未来を見据え、いまの時代に必要なもの、未来にとって必要なものを考え、どう動き、つながりをつくっていくか。そして、コンテンツを作るだけではなく、コンテンツ同士がつくる“コンテキスト”をどこまで見据えるか。そのコンテキストをどれだけ伝えられるかが、キュレーターとして必要な発想なのだと思います。そうした意味で、どうコンテキストを伝えるか、その材料としてコンテンツがあるのであり、そうした意味では「コンテンツそのものには意味があって意味がない」ということも考えられると思います。コンテンツだけではなく、コンテンツを踏まえたメッセージをどれだけもたせられるか。目の前にあるモノにとどまらず、その先をどれだけ考えられるか。僕自身も含めて、しっかりと考えていかなければいけません。


編集者は、コンテキストをどう作り出すか。これに必要な発想や思考のために、日々行動し、人と出会い、仕事をし、コミュニケーションしながら生きているのだと思うと同時に、河尻さんなりに、このラボを通じて受講生たちに伝えたかったコンテキストがどう伝わったか。これからの受講生や、ラボに関わった人たちが考えていかないといけないものだと思います。もちろん、僕なりにも、河尻さんのコンテキストを受け止めた一人だと思っています。今回のキュレーターLABに関わるすべての人たちにとって、この講義全体を通じて河尻さんが伝えたかったものをどう感じるか。おそらく一人ひとり違った考えや発想があると思いますが、ラボを通じて生まれた“何か”を、ぜひ大切にしてもらいたいなと思います。

2012/11/09

未来につながるアクションをしている、という意識をもとう

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先日の日本時間の11月7日、4年に一回のある種のお祭りでもある、アメリカ大統領選の投票結果が発表された。その結果、僅差ながら、オバマ大統領の再選が決まりました。

アメリカは、大統領選にかける時間は、かなりのものになっており、1年以上も議論し、それぞれの党も、あらゆる戦略を使い、新しい国の代表を決めるための活動をしています。このあたりの動きとか、4年前とどう変わってきたか、ということは、また別の機会でまとめようと思います。

「国の代表を決める」ということに対して、これだけ多くの人たちを巻き込み、大きな注目と、大きな期待感や、自分たちで代表を決めるんだ、という意識、自分たちで国を作っていく、という流れが起きていることに、4年前もそうですし、今回の動きをずっとみていても感じるところです。



ところで、先日の11月7日の朝刊の東京新聞の一面に、One Voice Campaignの活動を掲載いただきました。
「変えたい 選挙制度」ということで、いまの変わらない選挙制度に関して、One Voice Campaignが取り組んでいること、僕らが考えていることなどが記載されています。




5月にはじめたOne Voice Campaign。
日本でおきている様々な課題。どんなすべての出来事も、日本という国でおこなう以上、法律や条例に沿って行動しなくてはいけません。法治国家である以上、僕たちのあらゆる生活は、政治と直結していると言っても、過言ではありません。

だからこそ、一人ひとりが、政治と向き合い、ちょっとでも考え、そして、少しでも多くの人が、社会について声をあげたり行動する世の中になってほしい。そのためにも、僕らの声がきちんと届く仕組みにしたい。そんな思いでOne Voice Campaignを立ち上げました。

その中の一つが、「インターネット選挙運動の解禁」ということなんです。いまの日本の公職選挙法では、選挙時には、一切の選挙活動をネットを通じて発信することができない状況なんです。しかし、いまや僕たちの生活において、インターネットはあらゆるところで使われています。そうした、いまという時代のテクノロジーや技術に応じて、法律や仕組みもアップデートしていかないといけません。日頃の政治活動には、ブログやウェブサイトの更新はしているのに、選挙になった途端にTwitterもFacebookも更新できない、という、あまりにおかしい状況では、せっかくの僕たちの声、そして、なにより、立候補や政治活動をしている議員や政党自体の活動が発信できていない状況なんです。

そうした状況をなんとか変えたい。新しい政治参加の形をつくりたい。そこから、次の未来、次の時代をつくる”何か”があると思い、活動しています。自分たちの声が、自分たちの行動が、社会をちょっとでも変える、と信じれること。ちょっとでも、社会と関わりをもっている、ということを実感できること。

起業することでも、会社に入社することでも、NPOで働くことでも、どんなことも社会とはつながっています。そして、政治の意識をもつことも、まさに社会とつながっているんです。僕ら、これからの時代をつくっていくであろう、20代30代こそが、そうした未来に向かっての道を考え、行動することこそ、大事なことだと考えています。

振り返ってみれば、歴史というのは、現在から見れば、過去は一直線の線でいまに通じていると考えがちです。しかし、その時代その時代には、あらゆる選択肢とあらゆる可能性の中の、ほんの何万分の一の道で、いま僕らがいる”今”が形成されているのです。ということは、まだ見ぬ未来は、僕らのあらゆる選択肢によって、いくらでも変えることができるのです。僕らの行動一つ一つが、未来をつくっていくのです。そして未来のどこかの”現代”からみて、僕らが生きている現代を”過去”として振り返ったときに、つまり、自分たちの子孫や未来に生きる人たちにとって、意義のある行動をしたと思ってもらえることが大事ではないだろうか。

そして、未来の歴史家からみて、僕らが生きている2010年台を、ポジティブに語るのかネガティブに語るのか。それは、僕たちが考え、行動し、決断していった先にわかるものだと思います。


そうした、未来につながるアクションを、ぼくはこれからもしていきたいと考えています。


最後に、今回の大統領選で再選を果たしたオバマ大統領の勝利演説の動画を掲載しておきます。

オバマ大統領は、演説で、あらゆる人種、あらゆる人たちが生きる多様性のある社会を作りたい、とも述べています。黒人であろうと白人であろうと、黄色であろうと、ゲイであろうと、レズであろうとストレートだろうと、どんな人も生きれる社会を、僕も作っていけたらと思っています。

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