2011/07/28

今こそ「西部戦線異状なし」を読んでもらいたい

「西部戦線異状なし」という本がある。

おそらく、たいがいの社会科の教科書に載っている本だ。

簡単に内容を説明すると、
第一次世界大戦時のドイツにおいて、西部戦線に投入されたドイツ軍志願兵のパウル・ボイメルのお話。
戦争に参加したはいいけど、戦争に参加した仲間らとたわいもない話をしたり、メシが旨いとかまずいとか、誰が好きとか、仲間が怪我したときにお見舞いに行った話とか、まあそんな話。

しかし、内容は正直言うとそこまで面白いかというと面白くない。
どっちかと言うと普通な話。

でもこの本が社会科の教科書に載るってことは、なにか意味があるわけで、どこか面白いところがあるに違いない。
と思うけど、最後まで特に山場もなくページも終わりに近づく。

そして、とうとう主人公のパウル・ボイメルが1918年10月のある日に戦死してしまう。

「あー主人公死んじゃった。いいやつだったのに…」

と思い、最後のページに。
そして、ドイツ軍の司令部が上層部に一日の報告の一報の一言で本文は締めくくられる。

「西部戦線異状なし、報告すべき件なし」

この一言でおそらくすべてが理解できると思う。
つまり、これまで普通に生活をして、恋をして失恋をして、仲間と馬鹿騒ぎやったり、友達の死を悲しんだり弔ったりする、いたって普通の人間が一人死んだところで、戦争時においては特にさして報告するほどの必要性がないということ。
もっと言うと、司令部らにとっては、戦争に勝てるかどうか、自分たちの利害がどれだけとれるかどうか、ただそれだけであって、人ひとりが死ぬことなんてまったく意味がない。
でも、その死んだ人は、死ぬ間際までそこに確かに生きていたし、普通の人として、そこに確かに生活して生きていたわけであって、そこには膨大な人と関わり、膨大な時間が費やされているにもかかわらず、そこに意味がないと、報告される。

こんなに戦争の虚しさを表現する言葉はないんじゃないだろうか。

本棚にあって、久しぶりに手にとって読んだが、やはり何度読んでも最後のこの一言を読むたびになんとも言えない思いをしてしまう。

たしかに、この書籍は戦争を痛切に批判している本である。
しかし、このセリフはなにも戦争だけに当てはまるものでもない。
いまの日本でもまさにそうなのかもしれない。
人が一人死ぬ、ということがどういうことか。
たしかに、数字上の上では、1人も2人も3人も違いはないかもしれない。
しかし、その数字の裏に潜んでいる、膨大で多くの時間と関わった人は、そこにたしかに存在しているのだから。

数字だけを見ていては何も感じない、と思う人も、その数字の裏にあるものをもっと感じてもらいたい。
もっと、人が”死ぬ”ということがどんなことなのか、考えてもらいたい。
もうすぐ、日本に広島や長崎に原発が落ちた日が近づいている。
今年ほど、多くの人に戦争や原発を考える時期はないだろう。

ちなみに、「西武線異状なし」というタイトルの映画も存在する。

内容は、書籍と同様だが、ディテールなどの違いがあるにしても、痛切に戦争を批判している。
僕個人でも、戦争批判の映画の中でもトップレベルにはいる映画だと思う。
こんな映画が、1930年に作られた(1979年にリメイク)んだから、それから80年以上経ってる今でも人って変わらないのか、と思ってしまう。

ぜひ、お時間のある人は、映画でも書籍でもいいので、読んでもらえたらなと思います。
読んだら、感想など教えていただければと思います。





2011/07/22

空港での待ち時間というニッチな時間にチャンスがある

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国内国外問わず、空港での待ち時間をどう過ごすかはいつも考えるポイント。

フライトまでの時間などはそれなりにまとまった時間で、することといえば本を読んだり携帯をいじくったりがほとんどだと思うけど、それらをもっと有効に活用するためのサービスなどがあればと思ったので、メモがわりに書いてみる。

1.緊急時の体験ブース
Jayne Hrdlicka and David Hall with our newest A320

参照:JAL 機体整備工場&客室教育・訓練センター見学会(6)|客室訓練部レビュー: Kite's Field http://kitefield.air-nifty.com/blog/2010/12/jal-cb7a.html

飛行機に乗ったときに必ずあることの一つに、緊急時の酸素マスクやライフジャケットの着用の仕方のデモやレクチャーがある。飛行機のトラブルなど、着陸のための安全確保や緊急脱出など、コトが起こったときに行わないと命に関わることの一つで、航空会社は説明を義務付けられている。しかし、いざレクチャーが始まっても、それをきちんと見たり真剣に聞いている人がどれだけいるか、いつも疑問視してしまう。

もちろん僕は毎回真剣に聞いていますよ。しかし、実際にコトが起こったときに、いざ自分が使えるかというと、やはり実物を触ったこともあまりないので、スムーズにできるかどうか不安もある。

だったら事前に、しかも実際に体験することで、いざというときの不安を解消できるのではと思う。キャビン・アテンダントの学校などで航空機内を模した機内を使った模擬を行っているが、それを乗客にも体験させるブースがあれば、より身近に感じることと思うし、子どもとかはアスレチックみたいな感覚で楽しんだりすることで、楽しみながら覚えることもできるのでは。

これは高速のSAなどで車同士の衝撃のデモやエアバックやシートベルトなどのデモでも使えそうで、普段なかなか意識しないことも、実際に自分がいまから飛行機なり車なりに乗るときにすることで、危機意識を醸成する機会としてベストだと考える。

2.iPadなどの電子書籍貸出ビジネス
iPad

空港の待ち時間、そしてフライト時間などのまとまった時間を有効にすごす手段して、雑誌などの読書は有効だと思う。売店などで雑誌が売ってあって数冊ほど購入して航空機内に乗り込むことはよくあるが、考えてみるとそれってかなりかさばるし、読んだあとの処理をいつも考えてしまう。

ということで、雑誌や書籍などをDLしてあるiPadや、Kindleが借りれたら便利だなと思うで、そういったレンタルビジネスはありだと思う。待ち時間だけの利用でもいいし、機内に持ち込むならフライト時間に応じた課金することで確実に利用の課金モデルはできそう。

到着した空港で返却すれば、今度はその空港から離陸するユーザーに対してすぐに利用できるので、使用サイクルとしてもかなり楽になる。またよく機内の雑誌なども時間があるから隅から隅までじっくり読んでしまう人も少なくないので、貸しだした電子書籍内での広告枠を売ることで広告ビジネスとしても見込みがあると思う。

ちなみに、一日の乗客数は羽田空港で14万人/日
航空:首都圏第3空港の必要性-羽田空港の利用状況-〔資料3-1〕 – 国土交通省
http://www.mlit.go.jp/koku/15_bf_000750.html
なので、その内の10%が利用したとしても、それなりに効果はあるのかなと。

また、札幌や関空や福岡などの空港と連携することで、より相乗効果も生まれそう。
(ちなみに、飛行機の離陸時などでの電子端末の利用は禁止されているので、そのあたりのモラル問題は別ですので、利用の際は気をつける必要はある)

3.待ち時間で、プチ英会話レッスン

すでにやってるところもあるみたいですが、待ち時間で簡単な語学レッスンができるといいですよね。海外旅行で一番不安なことの一つに言語問題があると思います。

旅行雑誌などで、旅行に必要な会話の定型文や質問文などが書いてありますが、いざ実際に使うというときにスムーズにでる人はすくないと思う。緊張したり、発音が悪かったりとあると思うので、行く前に不安を解消するという意味で、簡単なレッスンができるといい。

なにも教科書とかは用意する必要性はなくて、もってる雑誌などの定型文などをもとに実際に喋ってみるなどの会話を15分とか30分程度できるブースがあると、より海外旅行が楽しめることは間違いない。

他にも、日本ではなかなか見ないけど海外だとよくある電源チャージブースは、もっと日本でも普及していいと思う。充電している間、サイネージに現地のニュースなどの情報が表示されるとなおいい。ただ充電を待ってるだけでなく、用意してあるタッチパネルから現地のいまの情勢や天気、最新のニュースをもって海外に行くことで、時間を有効に使える。

他にも考えたら色々と出てきそうなので、なにか思いついた人がいたらコメントをもらえたらいいなと思います。


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