2013/12/10

出会いから2年半。友人であるグッドパッチのつっちーが、新しい一歩を踏み始めた。



今日CNETで記事を書いたが、友人である土屋尚史氏が、デジタルガレージから資金調達をしました。

UI設計に特化したグッドパッチ、デジタルガレージから1億円を調達 - CNET Japan http://japan.cnet.com/news/business/35041091/

土屋氏、いや、ここではいつも呼んでるつっちーと書きたいと思います。ここからは、つっちーとの出会いなど個人的な経緯や感想の内容です。


そもそもの出会いは、2011年6月に僕がアメリカを旅してた時のこと。サンフランシスコにいた時に、現地で活躍している日本人や日本人起業家に会いにいきたいと思って目についたのが、ウェブデザインやマーケティングを手掛けているbtraxでした。当時は、日本でもスタートアップが盛り上がりを見せており、サンフランシスコやシリコンバレーで起きているスタートアップの動きなどをブログで発信していたりしていて、面白そうだなと思っていました。そこで、思い立ったら吉日ということで、btrax社に訪問(しかも突アポ!)で行き、最初は受付の人しかその日はおらず、連絡するから、ということで追い返されました。次の日、いぜん連絡もなかったけど暇だったので懲りずに再度訪問!

その時に、当時インターンをしていたつっちーと遭遇しました。ただ、いかんせん中身がよくわからない若造が、しかも突アポで一度追い返されたのにまた来たということで、つっちーたちは「なんか、変なやつが来た」と思ったのか、早々に追い返そうかなと思っていたそうです(笑)。そこで、自己紹介兼ねて色々と話をすると、当時運営していた84ismのことをつっちーが知ってて、そこから日本のスタートアップのことやベンチャーのことで一気に話が弾み、ちょうどbtraxがイベントをもうすぐやるということで、インタビューをさせてもらうことになったのが始まりでした。その時のインタビューはこちら。

日本とSan Franciscoをつなぐ、btraxさんにお邪魔して日本人インターンの方に話を聞いてきた@サンフランシスコ / ハチヨンイズム http://84ism.jp/13436



そのあとは、意気投合してサンフランシスコにあるコワーキングスペースでinstagramなどが誕生した「Dogpatch labs」(現在は、サンフランシスコから移転)やTwitterを案内してもらったりして、「今度日本に帰ったら、一緒にコワーキングスペース作ろうぜ!」と盛り上がりました。

その後、2011年9月11日にNYにいたいという思いから6月からアメリカやカナダの各地を一人でうろうろとする旅も終え、9月末に帰国した時、つっちーがちょうどGoodpatchを立ち上げた時でした。(ちなみに、Goodpatchの名前の由来は、案内してもらったDogpatch labsを由来にしているそうです)その後、僕自身がもともとHUBを知っていて、HUBを東京で作りたいという思いを持って、そのためにアメリカ各地のコワーキングスペースやスタートアップを取材したりしていました。アメリカのさまざまなカルチャーを学んで帰国したこともあり、つっちーと一緒に、HUB Tokyoを立ち上げよう!ということで、始めはGoodpatchの一事業として進めることとなりました。同じ時期に、HUBを作りたいという思いから帰国していた槌屋詩野さんや片口美保子さんとも出会い、2011年の12月くらいから、みんなで一緒に事業を作っていこうということでMTGをしたりワークショップをやったりと、それぞれの思いを共有しながらHUBを作っていこうという動きとなりました。

さまざまな人との出会いや別れ、驚きや発見、HUBを作るという思いに共感した人たちとのつながりなど、色々なことが続きながらHUBを進めていくための議論を重ねてきました。それぞれの考えている方向性についてなど、まさに腹を割って時に涙を流すこともありました。その中で、つっちーは共同創業者と別路を迎え、一人でGoodpatchという事業を進めるにあたり、事業に集中し新しいステージに動いていこうという決断をしました。僕も編集者、ジャーナリストとしての活動や、ちょうどネット選挙解禁に向けた動きがこのタイミングだからこそやらなければいけない!という切実な思いからOne Voice Campaignを立ち上げるなどし、HUBを作るために離職までした詩野さんと片口さんが選任で取り組み、僕たちはサポートに回るような体制を迎え、各人それぞれの歩むべき道を突き進んでいきました。HUB Tokyoは、その後詩野さん片口さんを含めた素晴らしいチームが、アントレプレナーを生み出す世界に誇るグローバルコミュニティを作り上げ、設立から1年が過ぎようとしています。それぞれの道を歩みつつも、互いに腹を割って議論した仲間として、陰ながら今も時折HUBには足を運んだりしています。

帰国してすぐにStartupDating(現、THE BRIDGE)やCNET Japanで記事を書くライターとして活動するようになった僕は、改めてつっちーと、同じITスタートアップ界隈の中でのそれぞれの立場の中で活動することとなりました。2012年の春から約1年半弱、つっちーとの出会いを含めるとちょうど2年半。その後、つっちーは一人から今では20人を超える社員を抱えるくらいの企業へと成長させました。今回の調達に関してTHE BRIDGEのインタビューで、つっちはこう語っています。「設立当初は受注を増やすのに苦労しましたが、昨年6月に江口さんに書いてもらった記事によって、Gunosy のデザインをグッドパッチが担当していると広く知れ渡り、それ以来、受けきれないくらいの仕事が舞い込むようになりました。」

ここで言う記事とは、僕が書いたGunosyリニューアルの記事のことです。

[インタビュー]情報の新しい流れをつくりたい–東大のエンジニア集団が立ち上げた次世代マガジンサービスGunosy - THE BRIDGE http://thebridge.jp/2012/06/interview_gunosy

これは、つっちーがGoodpatchを立ち上げてすぐに「面白い大学院生が面白いサービス作ったんだけど、UIがもったいなら手伝ってる」という話を聞いたことがきっかけでした。その後、Gunosyの関くんとも別のイベントで会い、話が盛り上がったことがきっかけで、ぜひ話を聞かせて欲しいということで当時はほとんどGunosyについて書かれている記事が皆無だった時に、Gunosy立ち上げからサービスに対する思い、今後について話を伺い、記事にしました。おかげさまで、記事は多くの人たちに読まれ、記事のおかげか、Gunosyもユーザー数が1万人以上になり、つっちーにもGunosyのサービスリニューアルに携わったことがきっかけで仕事が舞い込んだ、という意味では、僕が書いた記事が何かしたらの意味をなしたのかなと思います。しかし、たしかに僕は記事を書いたかもしれませんが、それはたまたまの結果論であり、その前提にはつっちーがシリコンバレーで関くんと出会い、Goodpatchを立ち上げてGunosyのデザインを引き受け素晴らしいデザインへと仕上げたことです。そして、たまたまサンフランシスコで僕とつっちーが出会ったことが、偶然つながった結果なのです。その結果を作ったのは、他でもないつっちーやGunosyのメンバーの人たちの行動力や実力があったからこそだと僕は思います。

人の運命やきっかけは、何が起きるか分かりません。しかし、人との一期一会の出会いの中で、懸命にコミュニケーションしたことが1年後、2年後、いや10年後に意味をなすことは大いにありえます。大事なのは、その中で生まれる人との出会いやつながりをしっかりと大事にしていくことです。それは、常に一緒にいろとかソーシャル上で日々コミュニケーションしたり相手の行動をチェックする、ということでありません。腹を割り、互いに持っている考えを真に共有することで、後は相手がどんなことをやっているかよりも、どんな思いでそれに取り組んでいるか、ということを尊重することだと思います。実際、つっちーとは、サンフランシスコで一度会っただけなのに、東京に帰国したら一緒に事業やっていこう!と意気投合したりしたのも、サンフランシスコという場所で互いに持っている思いを腹を割って共有したからこそであり、そしてその後に実際に事業に向けて手を動かし、結果的に別路になっても、それまでの共有体験があるからこそ、離れていても仲間であるということだけをもとに応援し、やりとりをしてきただけなのです。

実際、つっちーが秋葉原にオフィスを構えてからは、オフィス移転や一周年パーティ以外ではほとんどつっちーとは会っていませんし、TwitterやFacebook上でも時折コミュニケーションを交わすくらいでした。しかし、なんとなく活躍の声は風の便りでうかがい知れるし、僕の活動もつっちーは会った時に話をしたりとなんとなく知っていたみたいでした。そんなもんです。けど、そんなもんでも、分かり合えるものはあると思うんです。

もちろん、だからといってGoodpatchに肩入れしようとしてるわけではありません。一メディアの人間としての職業の矜持は持った上で話をし、仕事の話以外では友人であり仲間として接しています。もちろん、彼もそのことは理解していることでしょう。友人であるからこそ、ビジネスとプライベートはきっちりと分けなければいけません。

創業してからの苦難は、どんなに友人であってもその苦労や苦難は計り知ることはできませんし、それは絶対に分かることはできません。しかし、成果を出したことに対しては公平に評価をし、応援していくことは大事です。改めて、今回のニュースは、つっちーの、そしてGoodpatchとしての新しいステージへと歩もうとする一つの結節点になるのだと個人的に思います。今後の活動や新しいサービスも含めて、友人が活躍してくれることを陰ながら応援していければと思います。

こうして、仲間が活躍するのを見ることで、自分も頑張らなきゃとという発破をかけながら、次は自分の番だと思いながら、日々歩んでいこうと改めて決心しました。

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