2013/02/14

Googleが仕掛ける未来への提示−世界の問題解決を図るSolve for X


Googleが、なにやら新しい動きをしているみたいです。Googleといえば、世界がほこる大企業であり、検索を含めたインターネットの世界のありとあらゆるネットワークを張り巡らせている企業です。最新のテクノロジーやIT技術を使い、「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」を使命にしています。

そんなGoogleが、昨年2012年の2月に立ち上げた「Solve for X」という動きが、じょじょに明らかになってきています。




「Solve for X」とは何か。概要をみるに、世界の大きな問題を革新的なテクノロジーによって解決に導くための議論と対話の場、という説明をおこなっています。ここでいう“革新的な”という言葉は、数百万数千万以上もの人たちを助けることをさし、正しい技術と真実に基づいた科学によって、ソーシャルイノベーションをおこしていくための場であるとしています。

世界的な大きな問題に対し、革新的なソリューションとそれを支えイノベーションをおこすテクノロジーが掛け合わさったときに、次の時代をつくる「X」が生まれる、ということをまさに表現しています。Solve for Xでは、そうした革新的なアイディアとテクノロジーによるソリューションのことを、「Moonshot」と名付けています。まさに月面に発射するロケットのように、テクノロジーによる問題解決や新しい価値を見出すと同時に、チームワークといった協働によって、一人ではできない大きな問題に対して取り組んでいくことを目指しています。





では、「Solve for X」では何をおこなうのか。先日のGoogleのブログなどを踏まえてながら、それらが少しづつ明らかにされています。

2012年2月にティザーが公開されてから、概要などを伺ってみると、初めはTEDカンファレンスのように登壇者がいて、10数分のスピーチをするようなものではないかという推測が様々なところでおこなわれていました。けれども、TED自体は1980年にリチャード・ソール・ワーマンが始めたサロンの集まりからスタートしたもの。いまの2010年代にそれと同じものであってもどうなのか、と思っていたのだが、そうした形をさらに発展させてもののようです。

Solve for Xイベントの概要から、その様子が詳細に記載してありました。

(1)Solve for Xでは、3−4人程度の登壇者がいます。登壇者はそれぞれ、大きな問題を解決し、世界をよりよくするテクノロジーのアイディアについて、10−12分程度のスピーチをします。(2)3−4人の登壇者が話をしたあと、イベントに参加している人たち同士でブレストをおこないます。(3)だいたい5−10人程度のグループにわかれ、登壇者が話された内容が世界のどういったものに貢献するか、話されたアイディアからどう発展させるとよいのかについて議論します。考えを提案し賛成するだけではなく、あくまで互いの意見や考えなどを踏まえながらよりよい方法に議論を発展させるために、意見の3分の1は批評的な意見をもったりしながら、もっとこうしたほうがいいのではというグループトークを最低でも30分おこないます。(4)30分程度たったならば、グループを最低でも2回ほど変え、参加者同士での議論を深めていきます。(5)登壇者した人は、グループトークには参加はできません。けれども、グループの人たちからの質問などに応える必要があります。(6)その後、グループトークが終わったのちに、登壇者へのフィードバックをおこないます。(7)登壇者のスピーチはできるだけYoutubeで公開され(一覧はこちら)、またグループで話されたアイディアやノートなども公開していきます。

以上のような中身の構成になっています。これはまさにフューチャーセッションのようなワークショップ手法をとりいれ、イベントの参加している人たちすべてで、問題解決に取り組んでいく動きであるといえるでしょう。問題解決を一人のカリスマによって大きく推進させていくのではなく、参加している一人一人とアイディアをスピーチする人が一緒に問題に取り組む姿勢を大事にしています。TEDカンファレンスは、たしかに大変に素晴らしいものかもしれません。けれども、素晴らしい人の素晴らしいアイディアをシェアするだけでなはなく、シェアしたあとにその場で一緒になって議論していきます。もっと言えば登壇者の話に刺激をうけ、新しい発想や考えを生み出す人たちを多く生み出すことで、世界はよりよくなっていくのかもしれないという、ネットワーク型の動きによって世界を変えていきたいというGoogleの考えが垣間見えます。

Solve for Xのサイトでは、誰でも自分の意見を投稿することもできます。TEDや他のカンファレンスで話した自身の思いやアイディアを撮影したYoutubeの動画を送り、それがいいアイディアであればSolve for Xのコミュニティに招待され、そのアイディアをもとにディスカッションしていく、という門戸を広げています。「あなたのMoonshotで世界がどう変わるのか、ぜひ教えてほしい」というオープンマインドな姿勢ととっています。つまり、TEDで話したアイディアを、アイディアで終わるのではなく、実践として課題解決のソリューションへと導くための議論をしていこう、ということなのです。

Solve for Xコミュニティ自体はまだまだ招待制になっており、そのすべてを知ることは難しいですが、様々なところから見えてくる様子から、やっとその姿が明らかになってきました。企業として考えれば、こうした動きが利益になるのか?という考えがでてくるかもしれません。しかし、Googleは別に検索ビジネスをずっとやっていきたいわけではなく、情報を整理し、革新的なテクノロジーによって世界を少しでもよりよく、便利にしていきたい、という思いがあるのです。そのために、こうしたカンファレンスなどを主催するということはGoogleとしても一つのチャレンジなのです。そして、他の企業もプロダクトやビジネスではなく、社会へ”なにを””どのくらい”貢献していくのか、そのためには具体的にはどういったアクションが必要なのか、どのようにしたらよいアイディアを革新的なソリューションへと落としこむのか、ということを自身の活動によって示しているように見えます。

日本でも、こうした一企業が未来に対するアイディアとアクションをおこなう人たちが増えてきてほしいと思うし、そうした活動に対し、何か少しでも貢献していけたらと日々考えています。まだ、Solve for Xの活動も日々進化していっているので、もしかしたらまた違った動きがでてくるかもしれないので、そのときはまた紹介していきたいと思います。

Solve for X公式サイト
https://www.solveforx.com/


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