2011/08/30

NYにオープンしたチャリティ専門店「treasure and bond」と、そこから見える事業との連携について

アメリカの老舗高級百貨店「ノードストローム」が、ニューヨークにお店を出店したのだが、そのお店のコンセプトが「利益の全額を寄付」という珍しいコンセプトだったので、実際にお店に行ってみました。

「ノードストローム」は、アメリカのシアトルが本店にある西海岸系の百貨店であり、そもそもニューヨークには、「ノードストロームRack」というアウトレット商品を扱った店舗のみであり、今後東海岸への進出を見越しての展開なのだろう。

そんな今後を見据えたノードストロームに取ってみても大きな仕掛けの一つになるであろうこの店舗、「treasure&bond」という名前を冠し、”ノードストローム””という名前を一切使っていない。同系列とは違う、という路線表示の表れなのかもしれない。店舗も、SOHO地区と呼ばれる高級ブランドなどが立ち並ぶブティック通りの地域に位置し、若者や女性たちで毎日賑わっている地域への進出からも、その意識が伺えます。

treasure & bond公式サイト:http://shop.nordstrom.com/c/treasure-and-bond/

110826 treasure&bond photo

百貨店の店舗ですが、大通り沿いに店を構える「treasure&bond」はいわゆるセレクトショップな構えをしています。8月19日にオープンしたばかりのお店なのですごくキレイでした。

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店舗には、高級品などはなく、雑貨や小物、小さな家具や洋服などを取り揃えていました。

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店の壁には、
利益の100%を子供たちのためにニューヨークの国立図書館に寄付します。と掲げてあります。寄付先はローテーションで変わるようで、まずは8月〜10月までは図書館への寄付となるそうです。
寄付先などの情報は、こちらwww.treasureandbond.com/site/non-profit-partners に公表されています。

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お店全体としてもデザイン性があり、パッと見は東京などのセレクトショップと何ら変わらないくらいの中身です。
もちろん、商品自体も、厳選されたデザインやテーマやコンセプトをもとにセレクトされており、値段も通常のものと何ら変わらないものでした。

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ひと通り見たあと、僕も、お気に入りがいくつか見つかり購入してみました。

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特に真ん中にある「Table Topics」は、130枚以上あるカードをもとに質問が書かれていて、それらをテーブルにいつ人たちで話しあうというtable conversastionグッズ。質問の内容も面白く、ワークショップなどにも使えそうですごく面白かったので即買!

隣の本二冊も、世界のクリエーターのオフィスや部屋を紹介してインタビューした海外の書籍だったり、クリエイターのスケッチ本だったりと、デザイン、クリエイティブ寄りな書籍が全体として多くて、見ててすごく楽しかった。
他にも買いたい品がたくさんあったのですが、そこはぐっとこらえて3つにしぼりました。

コンセプトもいいし、置いてある商品のセレクトもなかなかぐっとくるものが多く、NYに来たらぜひ立ち寄ってみたいお店だと思います。
「決してノーと言わない」が企業理念のノードストローム。今後の動きに注目です。
treasure & bond 公式サイト:http://shop.nordstrom.com/c/treasure-and-bond/
Treasure&Bond on Facebook page:https://www.facebook.com/treasureandbond
Treasure & Bond (Treasure_Bond) on Twitter:https://twitter.com/Treasure_Bond

日本でも可能か?
よく、日本でも「売上の〜%を寄付」とかチャリティセールとかあるけど、それってすごく一過性のもので、いっときのノリや、とりあえず買っとくか、的なノリが多くなりがちであり、恒常的な寄付や活動に結びついていないのでは、と思う。

そうではなく、コンセプトに共感し、きちんと良質な商品を展開し、満足した買い物と寄付とか連携する試みは面白いと思うし、同じ商品ならここで買っていいかな、と思う。他店舗との連携で店全体の売上をキープし続けることが可能ならば、こういったコンセプト重視のお店を展開すれば、中途半端に各店舗数%の寄付をするよりも効果的なのでは。また、それらの店舗を新規参入する地域への足がかりとして展開するところに、若者に対するメッセージや店舗としての印象付けなどを含むのだったら、利益以外のものを手に入れることは可能なのだろう。

販売してある商品の多くをwebサイトやFacebook、Twitterなどのソーシャルメディアに投稿し、商品の良さや活動の素晴らしさ、そして、おそらくチャリティの金額が集まればその金額などの好評や図書館などの情報、子供たちへの教育的アプローチなどへの展開など、事業と慈善活動とをうまく連動することが今後うまくできれば、まだまだ東海岸では知名度が低いノードストロームとしての事業展開も軌道に乗ると察する。

日本でもCSRという言葉が流布してから数年たったが、いまいち成功事例や大きな話題になっているものが少ない印象である。ともすると、寄付した、環境を意識した、だけで終わっている企業も少なくないが、これらのように事業と慈善活動とをうまく連動してこそ、だと感じた。チャリティだからといって決して手を抜かず、クオリティや事業のコンセプトなどをしっかりもち、市民や商品を買ってくれる人へのメッセージを強く打ち出すことが鍵なんだろうと思う。


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