2011/08/16

これからの政治を語る材料としての玉音放送

8月15日は、日本においては終戦記念日です。

毎年この時期になると、戦争に関して深く考えてしまうものです。

なぜ終戦記念日であったかというと、1945年、当時の昭和天皇が戦争終結の放送、いわゆる玉音放送を全国民に対して行った日なのは、おそらく教科書などで知ってると思います。
そして、この放送によって、日本人は初めて天皇の肉声を聞くことになりました。

玉音放送。おそらくきちんと聴いたこと、読んだことがある人はそこまで多くないのかもしれない。しかし、この放送こと、これほど人々のことを思い、そして戦争を行った責任に対して、ここまで自分の声で、自分の意思で表明した人は多くないのかもしれない。

’戦争’という、もうあとにも引けない状況において、戦争の全責任を痛感し、あとにひけない物事にけじめをつけること。これこそ、ここから学ぶべきことだと思います。

もちろん、戦争を始めること自体が、天皇自身の手でないことであったとしても、最高責任者として責任をまっとうしようという意識をもっていることは素晴らしいと思います。

物事は、始めるは易し止めるは難し、という言葉を、その社会的立場と責任をもって全うするということを、今一度考えていくべきなのではないでしょうか。

この文章、この内容こと、いまの時代に政治に必要なものではないかと考え、全文を書いてみました。よければ読んでみてもらえればと思います。

先に現代語訳を書いております。後半に原文も載せてます。動画でも、当時の音声と映像を交えてありますのでそちらもどうぞ。



<現代語訳>

私(昭和天皇)は、今の戦争の状況と日本の現状を深く考えた結果、この戦争を収拾しようと思い、忠義をもった日本国民にお話します。
私は帝国政府に、アメリカ、イギリス、中国、ソビエトの四国に対し、共同宣言(ポツダム宣言)を受諾することを通告させました。
もともと日本の平和及び、世界の国々の発展を共存していくことは我が歴代の天皇先祖達の残してきた教えであり、私も大切にしているところであります。
アメリカ、イギリスと戦争を行ったのも、日本の自立および東アジア全体の平和を願うためであり、他国の主権を犯し領土を侵略するようなことは、もとより私の意志ではありませんでした。
開戦から4年がたち、我が日本軍は勇敢に戦い、我が一億の国民も身を捧げ、各々最善を尽くしたのにもかかわらず戦局は決して好転せず、また世界情勢も我々に有利にはなりませんでした。
そして敵は新たに残虐な爆弾(原子爆弾)を使用してむやみに罪なき者を殺傷し、その被害の及んだところは本当に計り知れません。
そしてなおもこのまま戦争を継続するならば、最後には日本民族の滅亡を招くのみならず、全人類の文明を破壊することになりかねません。
もしこのようなことになったら、一億もの日本国民をあずかっている私としては、歴代先祖達にどうあやまればいいのでしょう。このことが、私が政府より共同宣言を応じるに至った理由です。
私は日本帝国と共に、終始東アジアの解放に協力してきた諸国に対し大変申し訳ないと感じずにはいられない。
戦地で死に、あるいは殉職したものやその遺族のことを思うと身が張り裂けそうな思いです。
また、戦争でケガをしたり、家、仕事を失った者の保証については私の心を深く痛め、心配しているところです。
思うに、今後日本の受けるであろう苦難は大変なものであり、日本国民の口惜しい気持ちは私にもよくわかります。
しかし、私は時代の流れに従い、堪え難きを堪えて、忍び難きを忍び、このようにして今後の永遠の平和をもたらしたいと思います。
私は、我が日本という国を守ることができ、私に忠実であったあなた達の真心を信頼し、常にあなた達と共にありました。
しかし、感情にかられて、みだりに事を荒立てたり国民同士が争い、互いに時局を乱して、それによって人の守るべき道を誤り、世界の信用を失うことは私が最も戒めるところです。
これらを我が国の子孫に伝えていき、日本は不滅であると信じ、今後の道のりは重く遠いけれど、全員の力で日本の将来の再建に傾け、道義を守り、固い信念を持ち、我が国のよいところをさらに発展させ、世界の流れに遅れようにしていきましょう。
わが日本国民よ、この私の言葉をよく心にとどめて行動してください。

<原文>
朕深ク世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑ミ非常ノ措置ヲ以テ時局ヲ収拾セムト欲シ茲ニ忠良ナル爾臣民ニ告ク
朕ハ帝国政府ヲシテ米英支蘇四国ニ対シ其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ
抑々帝国臣民ノ康寧ヲ図リ万邦共栄ノ楽ヲ偕ニスルハ皇祖皇宗ノ遺範ニシテ朕ノ拳々措カサル所
曩ニ米英二国ニ宣戦セル所以モ亦実ニ帝国ノ自存ト東亜ノ安定トヲ庶幾スルニ出テ他国ノ主権ヲ排シ領土ヲ侵スカ如キハ固ヨリ朕カ志ニアラス
然ルニ交戦已ニ四歳ヲ閲シ朕カ陸海将兵ノ勇戦朕カ百僚有司ノ励精朕カ一億衆庶ノ奉公各々最善ヲ尽セルニ拘ラス戦局必スシモ好転セス世界ノ大勢亦我ニ利アラス
加之敵ハ新ニ残虐ナル爆弾ヲ使用シテ頻ニ無辜ヲ殺傷シ惨害ノ及フ所真ニ測ルヘカラサルニ至ル
而モ尚交戦ヲ継続セムカ終ニ我カ民族ノ滅亡ヲ招来スルノミナラス延テ人類ノ文明ヲモ破却スヘシ
斯ノ如クムハ朕何ヲ以テカ億兆ノ赤子ヲ保シ皇祖皇宗ノ神霊ニ謝セムヤ是レ朕カ帝国政府ヲシテ共同宣言ニ応セシムルニ至レル所以ナリ
朕ハ帝国ト共ニ終始東亜ノ解放ニ協力セル諸盟邦ニ対シ遺憾ノ意ヲ表セサルヲ得ス帝国臣民ニシテ戦陣ニ死シ職域ニ殉シ非命ニ斃レタル者及其ノ遺族ニ想ヲ致セハ五内為ニ裂ク
且戦傷ヲ負ヒ災禍ヲ蒙リ家業ヲ失ヒタル者ノ厚生ニ至リテハ朕ノ深ク軫念スル所ナリ
惟フニ今後帝国ノ受クヘキ苦難ハ固ヨリ尋常ニアラス
爾臣民ノ衷情モ朕善ク之ヲ知ル
然レトモ朕ハ時運ノ趨ク所堪ヘ難キヲ堪ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ
若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム
宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克ク朕カ意ヲ体セヨ
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